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2年目社員に聞く「使う人の視点で、空間をデザインする」

2024.10.31
オカムラで働く人に、仕事へのスタンスやエピソードを聞く「My Okamura Way」。オカムラがめざすのは、「人が活きる」社会の実現です。そこに向けてオカムラのメンバーが何を実践しているのか、担当する業務、働き方について思うこと、仕事以外の生活などについて聞きます。

My Okamura Way Vol.15  2年目社員編③

関西デザインセンター 第二デザイン室 宮本 菜々華(みやもと・ななか)。2023年に新卒で入社し、オフィス環境の空間デザインを行っています。入社前の取材では、学生時代に人間工学や在宅ワークに関する研究活動を通して学んだことを活かして働き方を提案していきたいと話していた宮本。実際に働いてみて、仕事や働くことへの意識はどう変化したのでしょうか。社会人1年目の振り返りやこれからについて聞きました。

2024年9月取材

学生時代の宮本も参加した「内定者座談会」はこちら

先輩デザイナーから学んだ、オカムラ空間デザイナーとしてのありたい姿

――大阪への配属になったそうですね。


宮本 菜々華(以下、宮本):そうなんです。初めての関西暮らしですが、大阪の人たちはフレンドリーで親しみやすい人が多いと感じています。私が所属する第二デザイン室は、大阪以外の近畿地方全体が担当エリアです。私はオフィス環境の空間デザイナーですが、オカムラのオフィス環境事業はオフィスだけでなく、病院や公共施設も含み、幅広い領域を担当します。
 

関西デザインセンター 第二デザイン室 宮本 菜々華
関西デザインセンター 第二デザイン室 宮本 菜々華

――宮本さん自身はどんな業務を担当してきたのでしょうか?

宮本:主に担当しているのは、オフィス環境の空間デザインです。お客様のオフィスの改修や移転に際して、営業担当と連携しながら、お客様のニーズや用途などをヒアリングして、オフィス家具を選定し、レイアウトを作成します。最近は従業員同士のコミュニケーションを活性化させたいというニーズが高まっているので、人が集まりやすい導線やカフェコーナーのような家具の配置を導線計画に盛り込むことが増えています。所属チームは空間デザイナーの人数がそれほど多いわけではないので大変なこともありますが、1年目から任せてもらえる範囲が広く、責任を持って幅広い業務に取り組める楽しさがあります。

――大変な分、成長スピードも速そうですね。1年目で印象的に残っているエピソードはありますか?

宮本:この春、退職した先輩から引き継いだ、とあるお客様の自社ビル新築に伴う移転プロジェクトです。長期にわたる物件ですので引き継ぎのために、1年目の冬から一緒に物件を担当させてもらいました。やはり物件の規模が大きくなると、それぞれの担当業務の範囲も広がります。空間デザイナーとして参加した私も、入社後初めて、壁紙の選定など内装部分まで担当する機会となりました。プロジェクト工程も複雑で、ほとんど何もわからないところからのスタートでしたが、先輩や周りの人に助けられながら、規模の大きい物件の進め方を学べました。
 
「(退職した先輩と)一緒にプロジェクトを担当できて本当によかった」(宮本)
「(退職した先輩と)一緒にプロジェクトを担当できて本当によかった」(宮本)
――一緒に担当した先輩からはどんなことを学びましたか?

宮本:たくさんありますが、一番はプロ意識です。業務が重なると、目の前の仕事への対応だけに追われてしまうこともありますが、その先輩はどんな状況でもデザインの細部までこだわり、妥協しませんでした。たとえば、テーブルと壁面のカラーの組み合わせ一つにしても、適切な製品を提案しなおすなど、丁寧に対応していました。また、人をまとめるリーダーシップや、お客様にわかりやすく伝えるプレゼンスキルにも長けていて、まさに自分が目標とするデザイナー像でした。

――ほかに記憶に残っている仕事はありますか? 

宮本:1年目に参加したコンペです。共創や多目的に利用するスペースの提案だったのですが、結果は負けてしまい、すごく悔しかったのを覚えています。今振り返ると、事前の情報収集が不十分でした。この経験から、どの案件でもヒアリングを丁寧に行い、とことん考え抜いた提案をしたいとより強く思うようになりました。

――理想としている先輩の姿にも重なりますね。入社して意外だったことはありますか?

宮本:空間デザインには地道な作業が多く、それが非常に大切だということです。デザインというと、どこかクリエイティブなイメージがありますが、そのベースには、たとえば、オフィスで働く人がストレスなく動ける導線を設計するには、家具の寸法やオフィスの通路の幅、デスクやイスの配置など、細かなところまで配慮が必要です。デスク1台、イス1脚の数が変わるだけでも、全体を見て再調整が必要です。
また、急な依頼が入り納期に追われることも。これも仕事を始めて実感したことです。需要期などは特に忙しいですが、自分が手がけた空間が完成したのを見ると、大きな達成感がありますね。
 

相手が活きる「Imagine」を意識することから始めるデザイナーの仕事

――仕事を通して学んだオカムラの強みは何でしょうか?

宮本:オカムラには多くの部門があり、幅広い業務をカバーしている点ですね。以前、先輩が壁面のグラフィックやオフィスレイアウトの模型制作を他部門に相談しているのを知り驚きました。2年目でまだ社内部門や業務を把握しきれていませんが、さまざまな専門知識を持つ社内各部門と協力して、お客様への提案に活かせるようになりたいです。

――入社前から知っていた経営理念“オカムラウェイ。実際に仕事をするようになって、仕事とのつながりを感じますか?

宮本:はい、感じます。オカムラウェイは、組織の一員として働くことに対して求められる姿勢がうまく言語化されていると思います。特に、基本姿勢“SMILE”の中の、「Imagine=思いやりを持ち想像することで相手が活きる」はチームで成果を出す上で大事だなと。社内外問わず、お互いが気持ちよく仕事できることで組織全体の生産性も上がると思います。私自身、「一緒に仕事をしたい」と思われる存在になりたいですね。
 
「仕事は何をするかだけでなく、誰とするかも大切。人間関係は仕事の質や成果にも大きく関わる」(宮本)
「仕事は何をするかだけでなく、誰とするかも大切。人間関係は仕事の質や成果にも大きく関わる」(宮本)

――「Imagine」を実践するために、宮本さん自身が気をつけていることはありますか?

宮本:基本はやはり、お客様を理解し、ニーズを具現化すること。納期を守ること。それからレスポンス速く対応することです。今所属している組織では営業とデザイナーの距離が近いので、コミュニケーションを密にとって協力し、お客様へのヒアリングにもとづいたアイデア出しなどもデザイナーの視点から積極的に行っています。それから、使う人のことを考えてデザインすることも「Imagine」の実践だと考えています。使われるシーンや場所を想像しながら空間をデザインしています。
 
「インプットしていないとデザインするものが似てきてしまう不安もある」(宮本)
「インプットしていないとデザインするものが似てきてしまう不安もある」(宮本)
――まさにSMILEが日々の行動の拠りどころになっているのですね。

宮本:そうですね。あとは個人的にSMILEの「Shine=学び感性を磨くことで自分が活きる」も大事にしています。私は1件の仕事に対して新しいことを取り入れる点を意識しています。使ったことのない内装材や家具を検討したり、新しいモデリングソフトやAIを活用したりしていますね。会社もDXを推進していますが、AIなどは自分の興味から学んでいます。やはり、自分で見たり経験したりしたものが発想のベースになり、多様な経験が創造性を豊かにすると思っているので、プライベートでも積極的にインプットの機会をつくっています。

――具体的にはどんなインプットをしているのですか?

宮本:資格の勉強や、建築巡り、美術館でのアート鑑賞などですね。元々の趣味でもありますが、働き始めてから見方が少し変わりました。細かいディテールにも注目するようになり、多角的な視点で見られるようになった気がします。
 

挑戦の2年目、OPEN FIELD参加で広がる視野

――社会人生活2年目を迎えましたが、仕事への想いを教えてください。

宮本:1年目は新しいことの連続で、慌ただしく過ごすうちに、気がつけば1年が過ぎていた感じです。2年目はしっかり組織に貢献していきたいですね。担当する物件も増えたので、スピード感を持って担当業務を進めることが1年目よりも大切になってきました。より注意深く作業に取り組んでいきたいと思います。また、目標とする先輩に近づくために、デザイン力やお客様への提案力、プレゼンスキルのような伝える力を磨いていきたいです。それから今年度は「OPEN FIELD」というプロジェクトに手を挙げて参加しているので、その活動にも力を入れています。


OPEN FIELDとは

アートコンテストには、宮本らデザイン部会を中心に12名が参加
アートコンテストには、宮本らデザイン部会を中心に12名が参加
「人が活きる環境づくり」を目指すオカムラによる空間デザインプロジェクト。建築家やアーティストによる展示会や社内デザイナー向けアートコンテスト、建築・デザイン系学生向けのワークショップの開催などを実施。オフィス環境事業のデザイン関連部門の若手従業員からなるデザイン部会がプロジェクトに参画しています。デザイナーにとっては社内外の人との交流によって知見を広げ、通常の業務とは異なる刺激を得る機会に。学生の参加を通じて採用やオカムラの企業価値向上も目指しています。
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――宮本さんは自ら手を挙げて、OPEN FIELDに参加したのですよね。2年目は参加メンバー内でも若手だと思いますが、どんなことをしているのですか?

宮本:月に数回行われるデザイン部会にウェブで参加しています。夏にはオカムラの工場から生じた廃材を用いることを条件にしたアートコンテストに参加し、自分の作品を発表しました。自由な発想でデザインをするのは学生以来で、新鮮で楽しかったです。普段は先輩方のプレゼンを聞く機会がないので勉強にもなりました。他拠点のデザイナーと関わる機会が少ないので、OPEN FIELDの活動は貴重な刺激になっています。
 
――さまざまな経験を通じてデザイナーとしても成長しているのですね。今は宮本さんにとって、どんなことが「働きがい」になっていますか?

宮本:担当した業務がお客様の満足につながったときですね。手がけたデザイン案を見せて、「これでいきましょう」と言ってもらえると、やりがいや手ごたえを感じます。
 
「学生時代は、コンペや学会での受賞が達成感につながっていた」(宮本)
「学生時代は、コンペや学会での受賞が達成感につながっていた」(宮本)

――今後の目標を教えてください。

宮本:レイアウト図面を引くなど細かい作業への苦手意識はまだありますが、空間デザイン業務の基本といえる部分。時間に追われる中でもしっかり対応することをまずは心掛けています。今後は一つひとつの物件で着実に自分ができる範囲や知識を増やし、対応力を磨き、表層のデザインだけにとどまらず、働き方まで含めた空間全体の提案ができるようになりたいです。あとは、コンペで負けないようになりたいですし、デザイン賞などにもエントリーできるようになりたいです。将来は、社内外で自分の名前で仕事をつくることができるデザイナーを目指しています。

2年目社員、ある日の過ごし方

宮本に、どんな社会人生活を送っているか、1日のタイムラインと休日の過ごし方を聞きました。
電動昇降デスクは、個人的に少し高めの設定で使うのが好き
電動昇降デスクは、個人的に少し高めの設定で使うのが好き
朝の時間帯

定時は8:40ですが、フレックスを活用する日は9:30頃出社することも。午前中は打ち合わせが多く、週に1度の第二デザイン室のミーティングやお客様とのオンラインの打ち合わせに参加します。レイアウト作成などの作業も午前中に取り組むことが多いです。オフィスはフリーアドレスで、カフェテリアの窓際や電動昇降デスクが好きな席。昇降デスクは、その人に合った高さに調整できるのがいいところです。

オフィスからも再開発が進む大阪駅周辺が見える
オフィスからも再開発が進む大阪駅周辺が見える
ランチタイム

先輩とランチへ行くことも。大阪駅周辺は、再開発の影響で続々と新しいビルが建っていて、どこで食べるか悩むくらいお店が充実しています。

仕事で訪れた姫路にて
仕事で訪れた姫路にて
午後の業務

午後は提案資料作成やレイアウト作業をします。会議はオンラインが多いのですが、週1回くらいの頻度で客先での打ち合わせに行くこともあります。担当エリアは、兵庫、京都、四国、岡山と広範囲で、最近は姫路に行く機会が多いです。退社時間は、繁忙期だと遅くなることも。時期によってばらつきがあります。

他部門の人も集まって大人数で飲む機会も
他部門の人も集まって大人数で飲む機会も
アフターファイブ

金曜日は先輩方と大阪駅周辺の居酒屋などへ飲みに行くことが多いです。
あとは週1回スポーツジムへ通っています。音楽に合わせて格闘技の動きをするエクササイズのレッスンを受けたり、マシンをつかった筋トレやランニングで汗を流したりするのは爽快。といっても体を動かすことが好きというより、体型維持がメインの目的です。


瀬戸内海の直島にある、建築家・安藤忠雄の設計「ベネッセハウス ミュージアム」
瀬戸内海の直島にある、建築家・安藤忠雄の設計「ベネッセハウス ミュージアム」
休日の過ごし方

趣味の建築巡りや美術館巡りを楽しんでいます。関西暮らしは初めてで、これまで旅行でしか訪れることがなかった場所へ気軽に行けるのが嬉しく、京都や四国に行きました。瀬戸内の島々には現代アートが充実しており、それらを巡るのが楽しかったです。


インタビュー後記

宮本の言葉からは、入社2年目の空間デザイナーとしての素直な思いと、仕事への前向きな姿勢が感じられました。特に印象的だったのは、「Imagine」の実践に関する部分です。使う人のことを考え、想いを込めてデザインする姿勢は、まさに「人を想い、場を創る。」というオカムラ宣言を体現しているといえるでしょう。大規模プロジェクトでの経験やOPEN FIELDへの参加、プライベートでのインプットなど、さまざまな角度から自身の視野を広げようとする姿勢に、デザイナーとしてのさらなる成長の可能性を感じました。今後、オカムラの空間デザイナーとして、どんなデザインを手がけていくのか楽しみです。(編集部)


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