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社内の共創人財を育成!「共創アンバサダー」とは?(後編)

2026.06.26

企業パーパスに「人が活きる社会の実現」を掲げるオカムラ。この「オカムラを知る!」では、オカムラグループのさまざまな取り組みを紹介していきます。

「はたらく」を考え「はたらく」を変えていくオカムラの活動、WORK MILL。本記事では、WORK MILLが主催する社内の実践型教育プログラム「共創アンバサダー」の取り組みについてご紹介します。
共創アンバサダーは、これまで10年以上にわたり、WORK MILLなどの活動を通じて積み重ねてきた知見をもとに、共創の考え方と進め方を理論・実践の両面から学び、日々の業務へ活かせる人財を育成するため、2025年度から本格的にスタートしました。この共創アンバサダーの参加者から2名をピックアップ、前後編でそれぞれのプロジェクトの内容を紹介してもらいます。

共創アンバサダー前編の記事はこちら

後編に登場してもらうのは、オフィス環境事業本部 働き方コンサルティング本部 ワークデザインコンサルティング部の後藤 真由美です。

働く環境の心地よさを、ニューロダイバーシティの視点から考える

ワークデザインコンサルティング部後藤 真由美
ワークデザインコンサルティング部
後藤 真由美
後藤 真由美(ごとう・まゆみ)
オフィス環境事業本部
働き方コンサルティング本部

ワークデザインコンサルティング部

ワークデザインコンサルティング部の後藤です。普段は、オフィスの移転や改装を支援するコンサルタントとして、より良い働き方や働く場を実現するため、さまざまな調査を通じてお客様の課題を洗い出し、設計要件をまとめています。
突然ですが、皆さんは「ニューロダイバーシティ」という言葉をご存じでしょうか。
ニューロダイバーシティ(神経多様性)とは、脳や神経、それに由来する個人レベルでのさまざまな特性の違いを多様性と捉えて相互に尊重し、それらの違いを社会の中で活かしていこうという考え方です。
日々の業務の中で、オフィスに求められる環境は企業や業務特性だけでなく、個人によっても大きく異なることを実感しています。その背景には、五感による環境の受け取り方の違いがあるのではないかと考えました。
そこで、私は「誰もが心地よく働ける場をつくりたい」「環境が合わずに辛い思いをする人を減らしたい」という思いから、「ニューロダイバーシティの考え方をオフィスづくりにどう反映できるか」をマイプロジェクトとして設定しました。

共創アンバサダーが担う「新しい価値創出」

市場環境が大きく変化するなかで、部門や組織の枠を越え、多様な人とともに新たな価値を生み出していく共創の力がますます重要になっています。そうした背景のもと、この共創アンバサダーでは、参加者一人ひとりが共創人財として成長し、共創活動で得た知見の自業務への還元、さらには個人の想いや挑戦から生まれる共創の輪を社内外へ広げ、新しい価値創出の土壌を育んでいくことを目指しています。
今後全社へ展開していく可能性も視野に、2025年度はスモールスタートとして、オフィス環境事業本部の首都圏で働く従業員を対象に参加者を募集し、営業、空間デザイン、スタッフなど幅広い職種、さまざまな部門から12名が参加しました。参加者は、自身のアイデアをもとにしたテーマを「マイプロジェクト」として一人ひとつずつ設定。書籍『ゼロからの共創』をベースにした講義やディスカッションを通じて共創の理論を学びながら、並行して各自のマイプロジェクトに取り組みます。約6カ月間のプログラムの中で自ら社内外に共創パートナーを広げながら、イベントなどの企画・開催を通じて、企画提案力、ファシリテーション力、対人関係構築力など、価値創出に必要なビジネススキルを磨きます。


                                       

多様な視点から「当たり前」を問い直す


2025年10月から約半年間、社内外のさまざまな方との対話や調整を重ねながら準備を進め、2026年3月に共創空間bee(大阪)で「離職防止のヒントはニューロダイバーシティ?違いを価値に変える!これからのオフィスづくり」というイベントを開催しました。
募集はあえて対象を限定せず、興味のある方であれば社内外を問わず誰でも参加できる形としました。テーマの特性上、参加者集めには苦労しましたが、多くの方にご協力いただき、学生や発達障がいのある方など、さまざまな立場の方が参加してくださいました。

イベントでは、まずはオカムラの製品や空間を知ってもらうため、ショールームツアーを実施しました。

続いて、ニューロダイバーシティ推進の第一人者である臨床心理士・公認心理師の村中 直人さんに、「ニューロダイバーシティ」「ニューロ・インクルーシブ・デザイン(※)」をテーマに講義を行っていただきました。
講義の中で印象的だったのは、「人間はそもそもみんなが思っているほど似ていない」という言葉です。これまで無意識のうちに人それぞれの違いを小さく捉え、実際には存在しない「普通」や「平均」を作り出していたことに気づかされました。

※ニューロ・インクルーシブ・デザインとは、神経多様性(ニューロ・ダイバーシティ)を尊重し、はじめから特定の認知特性を持つ人々を排除しない設計思想のこと
村中 直人さんによる講義
村中 直人さんによる講義

ワークショップでは、自分と他者の特性に目を向けることから始めました。例えば、集中するときは静かな環境を好む人もいれば、にぎやかな環境の方が集中できる人もいます。また、打ち合わせ時にメモを取るかどうかについても考え方が分かれるなど、多様な違いが見えてきました。
次に、そうした気づきを踏まえ、自分にとって心地よい働き方や空間の使い方を考えました。オープンスペースを集中目的で使いたいという意見や、集中ブースをリフレッシュに使いたいという声など、空間の使い方に多様性があることが印象的でした。

参加者からは、「もっとオフィスを自由に使いたいと思えた」「自分に合う環境を見つける難しさを感じた」といった声が寄せられました。さまざまな視点から意見が集まったことで、改めて環境づくりの重要性を認識する機会になったと思います。
 

少人数グループに分かれてワークショップを実施
少人数グループに分かれてワークショップを実施

ニューロダイバーシティの視点をオフィスづくりに生かす


共創アンバサダーの活動に参加して特に面白いと感じたのは、ふだんのビジネスが費用や契約を前提に進むのに対し、共創では関係者が対等な立場で共通の目的に向けて協力できる点です。私自身、最初はフラットな関わり方に戸惑うこともありましたが、そうした関わり方はこれまでの仕事にはない新鮮さがありました。

さらに、人とのつながりも活動を通じて得られた大きな成果の一つです。マイプロジェクトを進めるにあたって、共創パートナーとして、一般社団法人 チャレンジドLIFE 代表の畠中 直美さんにご協力いただきました。プロジェクトの進め方に悩んでいた時に、私の想いに共感し、その考えを言語化するサポートをしてくださいました。また、畠中さんにご紹介いただいたニューロダイバーシティ推進の第一人者である村中さんや、自主的に参加したイベントでつながったニューロダイバーシティ協会の方々など、人脈を広げることができたのも私にとって意義深い経験です。

これまで私は、共創にはどこかキラキラしたイメージがあり、特別なスキルや資質が必要なのではないかと思っていましたが、共創アンバサダーに挑戦したことで心理的なハードルがぐっと下がり、共創の面白さを実感することができました。

今回のプロジェクトを通じて、オフィスづくりに対する考え方にも変化がありました。これまでは、多様性を尊重しながらも一定の基準が必要だと捉えていましたが、「そもそも人間には多数派も平均も存在しない」という前提に立ち、多様な選択肢をデザインに組み込むことで、より多くの人が活きる環境をつくることができるのではないかと感じています。
今後は、情報収集と対話を重ねながら、ニューロダイバーシティの考え方を社内外に広げていきたいと思います。そして、まだまだ道のりは長いですが、将来的にはニューロダイバーシティの視点を取り入れたオフィス提案へとつなげていきたいです。


編集後記

ニューロダイバーシティの考え方をもっと広めたい、という後藤。彼女の取り組みからは、共創が一つの正解に向かうものではなく、多様な視点を持ち寄りながら可能性を探っていくプロセスそのものであることが伝わってきました。ニューロダイバーシティというテーマを通じて、「誰にとっての心地よさか」を問い直し続ける姿勢は、これからのオフィスづくりにも新たな視点をもたらしてくれそうです。共創アンバサダーの活動が、こうした問いや実践を社内外へ広げていくきっかけになっていくことを期待しています。(編集部)

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