企業パーパスに「人が活きる社会の実現」を掲げるオカムラ。この「オカムラを知る!」では、オカムラグループのさまざまな取り組みを紹介していきます。
オカムラグループは経営理念「オカムラウェイ」を通じて、全ての人々が笑顔で活き活きと働き暮らす社会の実現に貢献していきます。2025年7月30日、オカムラのオフィスチェアなどを主に製造する追浜事業所にて、神奈川県立こども医療センターの患者さんとその家族の皆さんを招いた「親子工場見学会」を開催しました。昨年に続く2回目の開催となったこの取り組みについて、主管部門であるサステナビリティ推進部の塩沢 尚子と、追浜事業所 人事総務課の末吉 信貴に話を聞きました。
塩沢 尚子
コーポレート サステナビリティ推進部
2025年4月に現部門へ異動、「コーポレートアクセス」の事務局のほか、社会貢献活動に関する業務を担当。今回初めて本工場見学の事務局を務めた。
末吉 信貴
追浜事業所 人事総務課
追浜事業所の人事・総務業務全般を担当。採用関連業務や、外郭団体への参加も行っている。
治療中の子どもたちとご家族を応援する「ちあふぁみ!」
――「ちあふぁみ!」について、あらためて聞かせてください。塩沢 尚子(以下、塩沢):神奈川県立こども医療センターは、横浜市にある子ども専門の病院です。高度・専門医療や緩和ケア治療を行い、神奈川および全国の小児医療を支えています。同医療センターで小児がん診療に携わる医療スタッフが中心となって2020年に立ち上げたプロジェクトが「ちあふぁみ!」です。同医療センターでは、さまざまな小児がんを克服するために、神奈川県を中心に全国各地から子どもたちが通い、長い間入退院を繰り返しながら治療を受けているのですが、交通費の負担や学習面、きょうだいのケアなど、治療以外にも数多くの入院中の課題があります。そうした課題に対して医療以外の面でも患者さんと家族をサポートすることを目的に、「ちあふぁみ!」ではさまざまな方法で応援を行っています。たとえば、寄付金のほか、学習の支援、療育状況の改善やきょうだいの預かり保育、家族へのメンタルケア、そして企業とのコラボなどを行っています。
オカムラは、同医療センターと同じ神奈川県に本社があり、生産・販売ともに複数拠点を持つ地元企業というご縁から2023年より「ちあふぁみ!」の活動に協力しています。2024年からは「夏休みの思い出にものづくりの現場に触れてほしい」という想いから、追浜事業所で親子工場見学会を開催。今年も、同医療センターへ通う子どもたちと家族を招いて開催することとなりました。
名称の「ちあふぁみ!」は、「Cheer Families On!(家族を応援する!)」の略称です。
ちあふぁみ!トップ (cheerfami.jp)
――工場見学会に先立ち、どんな準備をしたのでしょうか?
塩沢:私を含み、事務局や追浜事業所の担当メンバーに向けて勉強会を行いました。神奈川県立こども医療センターの医師で「ちあふぁみ!」コアメンバーの栁町 昌克さんより、神奈川県立子ども医療センターや小児がんの患者さんや家族の生活について、困りごとと解決に向けてできることなどをお話しいただきました。また、声かけや子どもたちと接する際の注意点についても教えていただき、学びがありました。
末吉 信貴(以下、末吉):気温も高く、限られた時間内でどうやったら効率よく見てもらえるか、メンバーとともに知恵を絞りました。夏場の工場見学では熱中症対策として、休憩所に立ち寄り水分補給をしてもらうようにしていますが、子どもたちに異変がないか目配りすることも担当メンバーと共有しました。また、車いす利用の子どもも受入れられるようにするため、階段を避けるよう工場見学のルートを変更しようと話しあっていました。
工場見学会ではイヤホンを通して説明を聞いてもらうのですが、今回、耳の不自由な参加者が2人いらっしゃると伺い、事前に説明内容を紙の資料で作成しました。当日にはお父さん・お母さんにその資料をお渡しし、活用していただきました。
工場見学会とものづくり体験を実施
――当日の様子を聞かせてください。
塩沢:2グループに分かれ、追浜メンバーにイスを製造する工場内へと案内してもらいました。参加者は説明を聞きながら、イスの座面の縫製や溶接、組み立て、出荷前の耐久試験などそれぞれのエリアで真剣なまなざしを注いでいました。子どもたちはロボットに興味深々でAGV(※)走行エリアから離れがたそうにしていました。皮や布を貼る前のウレタンを触って「蒸しパンみたいにフワフワだ!」と感想を話す子。楽しそうに見てくれている姿を見て、胸が熱くなりました。
※AGV:Automatic Guided Vehicleの略で「無人搬送車」「無人搬送ロボット」と訳されるマテハン機器です。
末吉:子ども向けの工場見学会では、ものづくりの楽しさを知ってもらうためのものづくり体験も毎回、実施しています。
今回のものづくり体験は、イスの製造過程で出るレザーの端切れを使った小物入れ作り。5色のレザーから好きな色を選び、ボタン付けに挑戦した子どもたちは、工具を力いっぱい押す、トンカチで叩く、といった一つひとつの作業を楽しんでいました。形ができた後は、ローマ字のシールで名前を入れたり、星やハートのシールで自分だけのオリジナルデザインを施した小物入れづくりを楽しんでいました。「こんなに本格的な革のグッズを作れるなんて思っていなかったです」と親子で感想を寄せてくれた参加者もいました。
活き活きと、地域と共生すること
――取り組みを通じて、感じたことをおしえてください。
塩沢:工場見学会は、参加した子どもたちとご家族にとって、楽しみながら社会科見学や遠足のような時間を過ごしていただけたと思います。
今回の神奈川に限らず、各地に拠点を持つオカムラグループには、各拠点のある地域で働く従業員がいます。そして、その地域の人々と共生することも大切です。今後も「人が活きる社会の実現」を目指して、それぞれの地域での「人が活きる」状態に貢献できる機会に、積極的に参加していきます。
末吉:私も継続することが非常に大事だと考えていますし、今後、小学校を回ってオカムラのものづくりをアピールしていきたいです。
今回協力してくれたメンバーにとっても、子どもたちの素直な反応は、普段の業務では得られない新しい気づきや励みになったようです。同じ地域にある企業として、引き続き提携し協力させていただければと考えています。一部ですが、感想を紹介します。
追浜事業所 オフィス技術部
先輩たちのアドバイスを受けて、子どもたちに伝わるようできるだけ簡単な言葉で工場内を説明することを心掛けました。
追浜事業所 オフィス技術部
初めて子どもたちによる見学会に参加しました。子どもたちの素直な感想や親子の会話はとても刺激になり、今後もものづくりの楽しさを知ってもらう機会に積極的に参加したいです。
追浜事業所 オフィス製造部
長年、追浜事業所でのものづくり体験を担当しています。直接ユーザーの声が聴ける貴重な機会なので、子どもたちが喜んでくれるよう小物入れの企画から毎回楽しんで参加しています。