オカムラグループは経営理念「オカムラウェイ」を通じて、全ての人々が笑顔で活き活きと働き暮らす社会の実現に貢献していきます。
2024年6月7日~8日、オカムラの生産事業所の一つである富士事業所にて、従業員向け「サステナビリティ研修」が実施されました。研修の概要について、また参加者の声をお届けします。
富士山の恵みを受ける富士事業所
オカムラの富士事業所は1970年に設立され、主に商環境事業の店舗用陳列什器、オフィス環境事業のパーティション、物流システム事業の搬送用コンベヤや自動倉庫と、幅広い事業にわたるオカムラ製品を製造しています。
所在地は富士山の麓にある静岡県御殿場市で、近隣には静岡県三島市があります。御殿場や三島は、富士山や周辺森林への降雨が育む豊富な湧き水や伏流水、きれいな空気、そして富士山の地下水熱などに恵まれています。これらを活かし、オカムラのほかにもさまざまな企業が事業を展開しています。
富士事業所でも、伏流水を工業用水や生活用水として利用しています。事業所拠点への貢献として、また従業員の多くが周辺地域の住民ということもあり、2022年11月に御殿場市とオカムラで、この地水を災害時には市民生活安定と早期復興のために生活用水として提供する連携協定を締結しました。
「サステナビリティ研修 in富士事業所」実施
オカムラグループの各事業におけるサステナビリティ推進に向けては、従業員一人ひとりの意識向上と行動変容が重要です。参加者がサステナビリティというキーワードを通し生産事業所を知り、仲間を知り、事業所周辺の自然を体感する。各自の知識・理解・体験から、次のアクションを考えるきっかけとしたい……。このような目的で、「サステナビリティ研修」は一昨年・昨年とオカムラグループ会社であるエヌエスオカムラでの開催から始まりました。営業、生産、設計などさまざまな職種のメンバーが生産事業所を訪れるかたちで実施されています。今回初めて富士事業所で行われ、参加者はそれぞれ、富士事業所とその地域ならではの学びを得ることができたようです。
研修初日はまず「富士山の湧水(恵み)について体感する」をテーマに、三島ゆうすい会の皆さまによる講演を聞き、実際に三島市内を流れる源兵衛川を訪ね、足を入れて川の流れや水の冷たさを体感。川の水に触れることで、講演で聞いた話にリアリティを感じました。地域の生活とともにある富士山の湧水を体感することで、参加者は水に関する学びを深められたようです。
その後、富士事業所メンバーの案内により工場を見学。サステナビリティの観点から富士事業所の生産活動を考えました。
翌日は、2022 年9 月に事業所敷地内に整備された、自然との共生を目指した生き物の生息空間「ビオトープ」へ。ここは自然環境の保全とともに、従業員環境教育の場、地域社会とのつながりの場としての役割も果たしています。定期的に専門家の支援も受け、野鳥や植物調査も実施しており、渡り鳥の大切な越冬地になっていることなどが確認されています。豊かな自然環境にある富士事業所のビオトープでこそ学べる生物多様性に触れました。
研修のまとめとしてグループワークを実施、気付きを発表・共有し、「サステナビリティ研修 in 富士事業所」終了となりました。
研修に参加したメンバーからのコメントを紹介します。
物流システム事業本部
マーケティング部
プロモーション企画室
「水に関する学び」では富士山の湧水の地下水について三島ゆうすい会の皆様に水のありがたみや過去から今までの活動をお伺いしました。実際に源兵衛川に入り冷たさを感じ水の流れる音を聞き、非日常を味わえたことでどこか心洗われるような気がしました。ゆうすい会の皆様のご活動や見どころを教えてもらいながら見る源兵衛川での時間は、充実した時間になりました。
富士事業所紹介では各職場のリーダーやメンバーが環境に配慮した内容をポイントマップを用いて直感的で、理解しやすく説明していただき、富士事業所の環境に配慮した活動に触れることができました。
ビオトープにはハヤの群れが生息している池や、スズメの砂浴びエリアなどがありました。富士事業所のある地域ならではの動物や虫達も来るそうです。オシドリが巣を作る動画や写真、そして実際残された巣を見ることができたのが衝撃的で、野鳥が好きになりました!今後は各事業所でビオトープをつくってほしいと思い、さっそく研修で一緒だった追浜事業所の人と帰りに「追浜事業所のビオトープ」の画像を生成AIでつくりながら、提案をしてきました(笑)
足を運んで新しいことを学ぶ意味を再度実感できる研修でした。力を抜いて自然と触れることは「人が活きる」につながると感じ、研修終了後は鳥の声を聞きながら瞑想をしてコールドシャワーを浴びるなど、日常ではしない行動に楽しさを探せるようになった気がします。今後もこのような研修があれば参加したいと思います。
オフィス営業本部 中部支社
クライアントサポートセンター営業支援室
三島ゆうすい会の皆さまから富士の湧水について、さまざまなエピソードを伺いました。近隣の工場が長期休みに入るお盆休みに湧水の池の水位が上がることや、昔より平均的な水位が下がっていることを知り、水は限りある資源だと改めて実感できました。実際に川の中を歩いてキレイな湧水を体感できたことも、とてもうれしかったです。また、高度経済成長期に近隣に工場が増え悪化してしまった湧水の水質を、三島ゆうすい会を中心に市民の力で復活させ、水の町をつくり上げたエピソードには大変感銘を受けました。
富士事業所では物流システム事業、商環境事業、オフィス環境事業の建材製品とそれぞれの分野でのサステナブルな取組みについて、詳しく楽しく学べました。熱エネルギーを別工程で再利用したり、検品作業でのペーパレス化を推進していたり、実際の作業工程を見学しながら工夫されている点を聞いて、会社の環境への取り組みをより身近に感じることができました。
日々の生活で「水は大切」と頭では理解しているつもりでしたが、「湧水」に触れて「水が限りある資源であり自然からの贈り物」だと、より深く実感することできました。
オカムラとしての環境への取り組みも、現場で見聞きすることでより身近に感じられ、従業員として誇りに思いました。
そして何より、日々の忙しさから離れ、富士の湧水や自然に触れることで心身ともに一気にリフレッシュできました。SDGsやサステナビリティをより「自分ごと」として感じるためには、まずは自然の体感が重要だと改めて感じました。
今回研修受講者を迎える側だった、富士事業所メンバーにも感想を聞きました。
富士事業所
パネル製造部 パネル工作課
サステナビリティ研修には正直なところ、半ば強制で参加することになりました(笑)でも、研修が終わってみれば新たな発見があり、富士事業所や地域の魅力を再確認することができました。
今回は、事務局としてオカムラグループの皆さんを迎える立場であり、「富士の自然と、ものづくりの魅力と大変さを伝える」ことが自分のミッションだと思い、参加させてもらいました。
研修では、富士事業所をはじめオカムラ従業員や三島ゆうすい会の方々と交流し、私自身も三島楽寿園では「周辺の工場が操業している平日では水位が低く、土日では水位が高い」ことを知りました。また、研修参加者には富士事業所で製品がどのようにできているか、見学やものづくり体験を通して知ってもらえてよかったと思います。
実際に「見て、触れて、感じた」ことで、自分たちが守らなければいけない自然、SDGsやサステナビリティをより身近に感じられました。ここで培ったサステナビリティの観点を仕事に活かしていきたいと思います。
研修を終えて
担当業務や所属事業部によってはなかなか訪問機会がない富士事業所現地に足を運び、富士の仕事や人、地域を知る。さまざまな部門や職種のメンバーと一緒に体感することで得られる学び、今後に活かせる要素が多くあったようです。オカムラグループ従業員向けのサステナビリティ研修、その場所ならではの内容や集まる多様なメンバーでの開催が、これからも楽しみです。