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釜石ワーケーションを体験した今伝えたい “働くってこと” #03

2022.06.21
「人が活きる社会の実現」を目指す、株式会社オカムラ。ここでいう「人」は、世間一般の人々、顧客、そしてオカムラで働く私たち自身も含みます。このシリーズでは、「人が活きる」組織となっていくための、オカムラの進化や変革にスポットをあてて紹介します。

岩手県釜石市に、釜石市、株式会社かまいしDMC、日鉄興和不動産株式会社、オカムラにより2021年10月開業したワーケーション施設「Nemaru Port(ねまるポート)」。釜石には生産拠点・エヌエスオカムラ(以下、NSO)があり、オカムラと長年縁の深い場所です。オカムラは施設デザインと家具納入を担当、今後はワーケーションの知見提供や有効性実証などを展開予定です。その第一歩としてワーケーションのトライアルが実施されました。参加したメンバーによる渾身のレポート。初回第二回に続く、最終回です!
事業戦略部 企画開発グループ 岸 杏奈(2015年入社)
事業戦略部 企画開発グループ 岸 杏奈(2015年入社)
こんにちは!オカムラ オフィス環境事業本部 事業戦略部の岸 杏奈です。オフィス市場における販売促進やウェブプロモーション業務を担当しています。
釜石ワーケーション体験レポート3回目、最終章をお届けします!

3日目 SDGs自分ごと化研修・森林保全研修

3日目の最終日、午前中はNSOから始まりました。オカムラ サステナビリティ推進部メンバーのリードのもと、NSO従業員の皆さんもワークショップに参加してもらい、今回のテーマであるSDGsについて自分ごと化をしていきます。
 
NSOのみなさんとともにWS参加
NSOのみなさんとともにWS参加


個人的に印象に残ったのは、釣りが趣味というNSOのメンバーから聞いた「釜石の海でウミガメを4度見たことがある」という話です。温暖な海洋を好むウミガメは、本来釜石の冷たい海では見られないはずだそうです。それだけ釜石も海水温度の上昇が進んできているということ、環境保全問題が間近に迫っていることを実感しました。

議論は非常に盛り上がり、すぐに実現したいものから長期的な目標など、バラエティ豊かなアイデアがたくさん上がりました。それぞれの立場や経験から多様な発想がうまれる、それも一つのSDGsですよね。
 

こすもす公園

2日間お世話になったNSOを後にし、午後のプログラムのため甲子町へと移動します。お昼ご飯は、レストラン「こすもす」にて。隣接する公園は、震災後に遊ぶ場所を失ってしまった子供たちのために、自然の木や石で遊具をつくり、自由に遊べるよう解放したのだそうです。
 
手作り遊具があるこすもす公園
手作り遊具があるこすもす公園


メニューはレストランのオーナー藤井さんがつくる、素材を活かした創作料理。どれも優しい味付けで、と~~~っても美味しかったです!!!(写真で伝わりますよね!)
食後には、熟れが早いため市場に出回らないという、まるでゼリーのような食感の「甲子柿」もいただきました!
 

林業体験プログラム

お腹がいっぱいになったあとは、体を動かします!!ナビゲーターは岩手県に移住し、森林整備事業や食や遊びを軸に人と森をつなげる活動を推進中の森林インストラクター、石塚さん。普段何気なく入っていける森は、人の手できちんと整備してあげないと倒木や雑草で入ることができない状態になってしまうそうです。森や木について熱く語る石塚さんからは、森林に対する愛情が溢れ出ていました。(ちなみに一緒に手伝ってくださった奥様とは移住者同士でこの釜石で出会ったそうです。素敵……!)
 

林業体験研修へ
林業体験研修へ


われわれも森林整備のお手伝い!ということで、森の歩道づくりと薪割りに挑戦します。二班に分かれて、まずは薪割りから。

斧って重いんですね…!なかなか真ん中にあたりません…。数回ヒットしてやっと真っぷたつに割れてくれました。薪1本を4等分するだけで、もうだいぶヘトヘトです。
 


班を入れ替えて歩道づくり。こちらも道になる場所の土を耕して平らにするという地道な作業ですが、かなり体力がいります。途中から上着を脱ぐ人が続出しました。普段歩いている山道も、こんなふうに誰かが整備してくれていたんですね。
最終的にちょっとした階段をつくったりと、かなり道らしい道が出来上がりました! 達成感……!! 頑張った甲斐あって、薪もたくさんできました。 皆で協力すれば大きな成果になりますね!
 

体を動かした後は、焚火を囲んでメープルシロップの抽出を行います。かえでの木からいただいた樹液を煮詰めていくと、最初は透明でサラサラだった液体が、どんどん茶色くとろとろになっていきます。同時に量もどんどん少なくなっていく…。本場カナダでは糖度66度というのが出荷の基準になっているそうですが、同じ糖度に達する頃にはスプーン一杯程度の量になっていました。時間をかけてもこれだけしかつくれないなんて、メープルシロップってとても繊細で貴重なものだったんですね!

味は…… 甘い!! おいしい!!! しっかりメープルシロップでした! 過程を知って食べるとなおさら、おいしさが染みわたります。
 


そんなこんなで、あっという間に3日間のワーケーションプログラムは終了しました。
 

釜石ワーケーションプログラムを終えて

さて、私はこのレポートの最初に壮大な前振りをしていました。
「『働く』ことに関する価値観もだいぶ変わりました」と。
一体どのように変わったのか?あらためて、プログラム参加前の私の価値観を振り返ってみます。

【ワーケーションに参加するまでの私のイメージ】

  • 日中はホテルや施設でワーク、定時を過ぎたら街に繰り出してバケーション?
  • ワーク:バケーション=7:3くらいかなぁ
  • やっぱり観光地やリゾート地に行きたい!
  • でも結局仕事しちゃうかも……
  • だったらわざわざ平日にバケーションする必要もないのでは……?


今の私の価値観は以下のようになりました。

「ワーク」と「バケーション」の境界線とは?

これは行きの道中から始まっていましたが、各プログラムを通して、楽しんでいるうちに「あれ、これ仕事でも使えるな」というポイントがたくさんありました。そして、この場所に来たからこそ生まれた発想、知り得た情報もたくさんありました

これって「ワーク」なの?「バケーション」なの?いや、そもそも明確に区別する必要なんてないんじゃないか。それが私の結論です。

日本人はまじめなので、何か手を動かしていなければならない、成果を報告しないといけない、など常に誰かの視線を気にしているところがあると思います。それも勤勉でとても素晴らしい特性ですが、もう少し自分を解放して、自分が楽しむことから生まれる「ワーク」もあるのでは?と、いま私は思っています。

同じく、「バケーション」=「遊び」という考え方も別の捉え方ができるはずです。今、世の中にある仕事には、もともとは遊びから始まったのかもしれません。もちろん、実際にワーケーションができるかどうかは自身の職種や所属する組織によるところも大きいと思います。しかし、ワーケーションがもう少し普及し、さまざまな学びがあるという理解が広く得られれば、「バケーションだって立派なワークだ!」と堂々と言える日がやってくるかもしれません。

ぜひ、ゆかりのある土地でワーケーションを

今回の舞台は釜石、決してバケーションと聞いてすぐに連想する場所ではありません。魅力的なものはたくさんありますが、北海道や沖縄といった観光地のイメージが強い場所と比べるとやっぱり印象は薄いですよね。しかし、なぜ今私がこんなにも充足感に満ち溢れているかというと、それはオカムラで働く私にとってゆかりのある場所だからです。

すべての物語、体験が自分ごととして浸透していく感覚。それはやはり「釜石」だったからだと、心の底から思います。誰もが憧れる観光地も素敵ですが、こんな風に自分の会社のルーツを探る、日本人にとって忘れてはならない出来事を振り返る、そんなテーマのワーケーションもとっても素敵だと、胸を張って言えます。

ワーケーション先を検討するときには、「自分自身や、自分の仕事に何かゆかりのある土地」をぜひ候補に入れてみてください。

私の知らない仕事や暮らしがあるということ

このプログラムで、たくさんの人たちと交流し、たくさんの仕事を見てきました。プログラムに直接協力いただいた方々だけでなく、地元路線の車掌さんや居酒屋のお母さん、ホテルの従業員さんや売店の店員さんなど、皆さんこの場所でその仕事を必要としている人のために働いています。都会の慌ただしい環境の中では、どうしても自分中心で物事を考えてしまいがちです。つい視野が狭くなってしまったり、今の環境に適応できずに、息苦しさや罪悪感を感じたりしている人もいるかもしれません。

少しだけ、今の環境と距離を置いてみると見えてくるものがあります。自分だからできること、できないこと。今やるべきこと、そうでないこと。大事にしたいこと、そうでないこと。あらためて考えてみるよいきっかけになるかもしれません。

ワーケーションは、単なる仕事とリフレッシュの融合だけではなく、個人の価値観を変えるだけのパワーを持っています

“働くことは生きること” そして “生きることは働くこと”。
まさに、Work in Life を実感した3日間でした。
 

ワーケーション参加者、森林インストラクターの石塚さん夫妻と
ワーケーション参加者、森林インストラクターの石塚さん夫妻と

岸さん、3回にわたるレポートありがとうございました。ワーケーションという言葉の一般的なイメージとはまた少し違ったさまざまなプログラム、まさに釜石でオカムラメンバーが実施したからこその充実した体験であったこと、しっかり伝わりました!(編集部)

釜石でのワーケーションにご興味を持たれた方は、ぜひこちらもご覧ください!
釜石ワーケーション|岩手県釜石市-イノベーション創出のきっかけに (visitkamaishi.jp)

2021年12月ワーケーション参加

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株式会社オカムラ ウェブサイト

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