オカムラで働く人に、仕事へのスタンスやエピソードを聞く「My Okamura Way」。オカムラがめざすのは、「人が活きる」社会の実現です。そこに向けてオカムラのメンバーが何を実践しているのか、担当する業務、働き方について思うこと、仕事以外の生活などについて聞きます。
My Okamura Way Vol.5
商環境事業本部 冷熱サービスセンター 近畿サービスセンター所属の澤田和幸(さわだ・かずゆき)。2021年にキャリア採用で入社、営業職として、お客様に販売した冷凍冷蔵ショーケース(以下、冷ケース)の保守メンテナンス対応を担当しています。オカムラ入社後、初めて触れた電気系統の知識を得るのには苦労したとのことですが、入社3年目を迎え、拠点異動を機にさらに担当業務の幅を広げています。そんな澤田のこれまでとこれからについてインタビューしました。
コロナ禍をきっかけに異業種転職でオカムラへ
――はじめに、入社の経緯について教えてください。
澤田和幸(以下、澤田): 大学卒業後は、旅行会社に就職しました。数年間営業職として勤務して、修学旅行の添乗員なんかもしていたんですよ。仕事は充実していたのですが、コロナウイルスの流行とともに旅行業界は大きな影響を受けました。仕事内容は大幅に変わりましたし、業界の状況も先が見えない時期が続いたこともあって、転職を決めました。オカムラの冷熱サービスセンターでの募集に営業職採用でエントリーして、2021年3月に入社しました。
――コロナ禍で急な変化を受けての転職だったのですね。業種はかなり変わりましたが、オカムラを選んだ理由は。
澤田:前職で営業をやってきたこともあり職種は営業職に絞って、業界は正直なところ特にこだわりませんでした。ただコロナウイルスの影響を大きく受けた業界から次のキャリアに向かううえで、「コロナ禍も変わらず採用を募集する企業は社会インフラに近いところを扱っているのでは?」という考えはありました。前職はサービス業だったので、ものづくりをしているメーカーっていいな、とも思っていましたね。転職活動をする中で早めに決まったこともあり縁を感じ、オカムラに入社しました。
――現在は、どのような業務を担当されているんですか。
澤田:商環境事業本部の冷熱サービスセンターに所属し、オカムラで扱う冷ケースの保守メンテナンス業務に携わっています。冷ケースを納品したスーパーマーケットやドラッグストアなどのお客様から、例えば冷却不良といった連絡は、まずコールセンターに入ります。コールセンターから送られてくる内容を確認して修理の受付や手配をして、見積を作成します。実際の修理作業は協力会社さんに委託していますので、客先訪問の依頼なども行います。昨年東京から大阪に拠点異動になり、今は関西圏のお客様を担当しています。
冷凍冷蔵ショーケースのメンテナンスに必要な専門知識を日々学ぶ
――冷熱サービスセンターという部門名の印象から、冷ケースの修理も担当業務かと思っていましたが、違うのですね。仕事に慣れるまで大変なこともありましたか?澤田:実際の修理作業は部門の管轄に入っていませんが、トラブル原因を確認するためや、お客様へのご挨拶で保守対象の冷ケースがある店舗の現場へ行くことはもちろんあります。現場で状況を把握したり、修理を委託するためには電気系統の専門知識が必要です。そもそも自分が理解していないと、作業依頼はできないですから。その知識の習得がとても大変でした。例えば同じ冷却不良という現象でも、原因がコンプレッサー※1 なのかコンデンサー※2 なのか、ガス漏れなのか…いろいろと考えられます。一通り見てみないと分からず、すぐ判断ができないこともあります。
※1:圧縮機のこと。電気モーターで冷媒(熱エネルギーを運ぶ物質)を圧縮し、高温・高圧のガスにする機械。屋内・屋外に設置される。機器全体を冷凍機と呼ぶこともある。
※2:凝縮器のこと。大型エアコンの室外機のようにプロペラファンが回る箱型の機械。屋外に設置される。コンデンサー内で凝縮する程度に冷媒を液化させている。
――トラブルの原因は一か所を見てすぐわかるものではないのですね。それは幅広い専門知識が必要になってきますね。
澤田:学生時代まで文系で電気関係の知識がなかったので、入社前にイメージしていた営業職と実務内容の違いに、配属直後は途方にくれました(笑)冷ケースの仕組みや機能は、自分で調べてもわからないことだらけで、ベテランで知識豊富な部門の先輩や上司、協力会社の方には「澤田さん、なんにも知らないんだねえ」なんて言われてしまいながらも、なんでも質問して、また調べて…毎日あっという間に過ぎましたね。
――冷ケースを扱うオカムラメンバーは専門職という印象を持つ人は社内でも多いかもしれません。配属後に苦労した時期を乗り越えられたのはなぜでしょうか。
澤田:冷ケースの概要だけでも理解するまで、入社後数か月はとにかく大変でしたが、わからないことは聞くしかない、自分でも調べる、を繰り返して慣れていくうちに、大丈夫になってきたかもしれない…と思えるようになりました。せっかく会社を変わったタイミングなのだから、頑張ってみようと。前職をやめたくてやめたわけではないけれど、コロナの影響で退職前は業務が減っていましたから。今はタスクがこんなにたくさんあるなんて、いいことじゃないか!と受け止めました(笑)
――前向きなマインドで向き合うようにしたんですね。
澤田:一件、保守対応が終わっても、次の案件が続くときは続くので、メールの返信ひとつでも、できるだけ早い対応を心掛けてきましたね。ただ涼しい時期、特に冬はケースもよく冷えるので、比較的平和な日々ですが(笑)基本的なことですが、職場や店舗の現場で自分から挨拶するなど、「あたりまえのことを自分からする」姿勢は、仕事に限らず大切にしています。
冷凍冷蔵ショーケースで連携するオカムラの多様なチーム
1960年代までさかのぼる、オカムラの事業でも長い歴史を持つ冷ケース。商品に最適な鮮度を保ちながら、エネルギー推移の見える化などの省エネ対策、作業効率アップなど、環境や時代の変化に合わせ進化を続けています。「フォンターナ ネオ」をはじめ数多くの製品をスーパーマーケット、ドラッグストアとさまざまな業態の店舗に向けて展開しています。
オカムラで扱う冷ケースは、冷熱機器部で製品企画・設計を担当、御殿場事業所で製造されています。商環境事業本部の各営業支店で販売、エンジニアリング部が施工を実施し、お客様へ納品します。納品後、修理受付を行うコールセンターは冷熱サービスセンターおよびグループ会社のセック株式会社で担当しています。コールセンターからの連絡を受け、冷熱サービスセンターで保守メンテナンス対応を行っています。このように、冷ケースの製造・販売・メンテナンスには、オカムラグループのさまざまなチームが連携して対応しています。
保守メンテナンスに向き合うことが、顧客からの信頼と今後につながる
――これまで取り組んできた仕事で、とくに印象に残っていることは何でしょうか。澤田:入社1年くらいたった頃でしょうか、都内のとあるスーパーマーケットにまとまった台数でオカムラの冷ケースが入っているのですが、低温を作り出す機械部分である冷凍機の基盤トラブルで、かなりの数のケースが冷えなくなってしまったことがありました。お客様はもちろん早く復旧してほしいとのご要望で、まる2日間店舗の現場に立ち会い修理の対応をしました。店舗は狭い道路に面していたので、通常あまり採用しないクレーンで釣り上げる方法でケースを納品しなくてはいけませんでした。それでもスペース的にぎりぎりだったので、電柱や周囲の建物にも配慮が必要だったりと、大変でした。
――2日間立ち合いをして修理対応した経験を経て、どんなことを思いましたか?
澤田:社内外みんなで協力して復旧できた時はほっとしましたし、後日このお客様を担当する支店の営業から「客先のご担当者が『冷ケースのトラブルはあったけれど、修理対応がとてもよかった』とほめていたよ」と聞いた時はうれしかったですね。納品後何かあっても丁寧に対処することで、冷熱サービスセンターの直接の仕事ではなくても、これからも担当支店で店舗改装などの受注につながっていけばいいなと思っているので。
――自部門の業務をしっかり対応することが、オカムラと客先の今後にもつながるという広い視点は大切ですね。
澤田:はい、普段から支店やエンジニアリング部など、他部門メンバーとなるべく会話することは心掛けています。去年、東京から大阪に勤務地が変わりました。東京にくらべると拠点規模は小さいけれど、いろいろな部門と事務所のフロアが一緒なので、やりとりする機会は増えましたね。部門の上司やメンバーとも仲良くしてもらっていますよ。僕は趣味でゲームをするのですが、「ゼルダの伝説」発売直後には「明日はゼルダ有休を取ります」と事前に宣言したり(笑)、お互いコミュニケーションを取りながら仕事を進めています。
学ぶことで業務の幅がさらに広がる。新しいタスクで見える領域がある
――澤田さんは、これからオカムラでどんなことをしてみたいですか。澤田:工事、電気関係の知識がまだまだ足りないので、引き続き勉強していきたいです。去年、第3種冷凍機械責任者という資格を取って、冷凍サイクルなど冷却の仕組みが理解できるようになりました。何もわからなかった頃のつらさが身に染みているので、今はわからない人の立場にたった説明ができているかなと。協力会社さんとの会話でも、あまり的外れなことは言わなくなった…はずです(笑)やりとりがしやすくなってきたと実感できていますね。それから、修理依頼の対象が古い製品のこともあります。例えば「フォンターナ」シリーズも初代からいろいろなバージョンが出ていて、仕様もそれぞれ違います。部門の先輩や冷熱機器部、御殿場の工場など関連部門に都度相談しながら対応していますが、製品知識も幅広くつけていきたいです。
――忙しい中で担当業務と勉強などインプットの両立は苦労もあると思いますが、知識が増えることで仕事もより進めやすくなりますね。
澤田:視野を広げるという意味では、専門知識を得てひとすじに究めるのは大事ですが、支店所属の営業や、施工など、他の業務もいつか担当してみたいですね。冷ケースについても、立場を変えると新しく見えてくるものがあるはずなので。いろいろな仕事を経験してみることで、部門同士の関わりをより広げたり、お互いの気持ちが分かることにつながったりするのだと思います。
あたりまえの日常を支える。店舗で働く人の、買い物に来る人への想いを汲みたい
――オカムラ社内全体でのジョブローテーションも、さらに活発になっていくといいですよね。オカムラウェイの中核概念に「人が活きる」という考え方があります。澤田さんはどのようにとらえていますか?澤田:大きな修理案件が無事に終わると安心します。その後お店に買い物に来た方が冷ケースから商品を選んで買い物カゴに入れているとか、日常の何気ない光景を見られることが、僕にとって仕事の面で「活き活き」している時…ですかね!?(笑)オカムラの商環境メンバーあるあるかもしれませんが、スーパーやコンビニに立ち寄ると、店舗で働いている人と、買い物している人の両方に、自然に目が行ってしまいます。
――確かに、冷ケースや店舗向けの陳列棚といった商環境事業で扱う製品はある意味、暮らしの中の風景の一部と言えますね。多くの人の日常が通常運転でまわることを支えている、という視点でしょうか。
澤田:アイスクリーム売り場のケースの前で子どもが親に「このアイス好き、買って!」なんて話しているのを見かけると、人の普段の生活に冷ケースが溶け込んでいることを実感するんです。オカムラのお客様である店舗とそこで働く人に加えて、その先には買い物をする一般のお客様がいます。「店舗で働く人たちは、買い物に来る皆さんを大切にしている」ということを汲みながら、日々の業務に向き合いたいですね。
インタビュー後記
冷ケース関連の業務では専門知識が求められる場面も多いとのことですが、入社以来積極的に学び、担当業務に慣れてきた澤田。保守メンテナンスの繁忙期はやはり夏期だそうです。猛暑だった今年の夏も忙しいなか、目の前のあたりまえのことにすぐ取り組む、という姿勢でぶれずに一つひとつの案件に向き合ってきました。多くの人の生活の一部に「あたりまえに」存在する冷ケース。インフラともいえる部分を縁の下で支える業務、これもオカムラの「人が活きる」社会の実現に貢献するワンシーンといえるのではないでしょうか。(編集部)