※:ダイバーシティ(多様性)、Equity(公正性)&インクルージョン(包摂、受容)の略称。オカムラグループは経営理念「オカムラウェイ」を通じて、すべての人々が笑顔で活き活きと働き暮らす社会の実現に貢献するため、サステナビリティへの取り組みを推進している
パラ卓球アスリート日記 Vol.1
サステナビリティ推進部 D&I推進室 七野 一輝です。パラ卓球日本代表としての競技活動と並行して現在オカムラのサステナビリティ推進部にてD&I関連全般の担当、セミナー・イベントなどの推進活動、主に育児・介護の両立支援、障がい者定着支援に関する取り組みを担当しています。2022年よりこれまでの立位クラスでの競技から車イスクラスに転向し、パラリンピックをめざしています。3月 スペイン・イタリア大会から全日本オープンパラ卓球選手権、3大会出場
2022年3月に国際大会のスペインオープン(9~11日)・イタリアオープン(15~18日)、全国大会である全日本オープンパラ卓球選手権大会(グリーンアリーナ神戸・25~26日)の3大会に出場してきました。結果は…スペインOP シングルス:優勝 ダブルス:3位
イタリアOP シングルス:優勝(ダブルスは不参加)
全日本オープンパラ卓球選手権大会 個人戦:優勝 団体戦:優勝 でした!
今日はそれぞれの試合について振り返っていこうと思います。
スペインオープン シングルス優勝・ダブルス3位入賞
スペインOPはバルセロナ空港から約1時間半のところにあるコスタブラバというところで開催されました。今回3回目の訪問でしたが、とてもいい街でお気に入りの場所です。今大会は車イスプレイヤーとして初めての国際大会だったので、まず「クラス分け」を受けるところから始まりました。クラス分けとは専門の資格を持った医師が障がいの場所・程度等に応じて、競技クラスを判定するものです。私は国内のクラス判定で一番障がいの程度の軽い「クラス5」と判定を受けていたのですが、右股関節の亜脱臼、一部腹筋と背筋が効かないところがあり、国際クラス分けで2番目に軽い「クラス4」という判定を受けました。クラス4で競技することが判明したのは試合前日の午後。ドタバタの中、大会が始まりました。
立位では7年間国際大会に出場していたものの、車イスプレイヤーとしては新人で世界ランキングもない状態だったので初心を忘れずに、思い切って相手にぶつかっていこうという気持ちで試合に臨みました。試合では順調に勝ち上がり、決勝戦は東京パラ銅メダリストで昨年11月の世界選手権でも準優勝したフランス代表選手(当時は世界ランキング3位)。もはやここまで来たら失うものはないと思い、思い切って試合をしたところ3-1で勝利。なんとか優勝することができました。パラ卓球の世界ランキングは最初に出場した大会の成績に応じて、ランキングを決めるポイントが付与されるので一番大事なのがデビュー戦。立位の経験から最初の大会がどれほど重要かということが分かっていたため、緊張もありましたが、優勝することができてホッとしました。
ダブルスでは私のクラスが確定した後に同じクラス4の齊藤元希選手と組ませていただくことになりました。ほぼ練習をしていない状態で試合に臨みましたが、齊藤選手の安定感のおかげで、強豪ペアにも勝利。3位入賞することができました。これから更にコンビネーションを上げていきたいと思います。
イタリアオープン シングルス優勝
スペインの後はイタリアへ。イタリアはベネチア空港から1時間位のところにある、リニャーノという場所で開催され、私のほかにもスペインOPから連戦で出場する選手が多く見られました。ヨーロッパの連戦が2018年5月以来で、体力的にも不安もある中、大会に臨みました。
スペインOPで優勝したものの、直後のイタリアOPではまだランキングが付かないのでスペインOP同様に新人として出場。初戦から東京パラリンピックに出場していたスロバキア代表選手と対戦し3-1で勝利すると、その勢いのまま順調に勝ち進み、優勝することができました。スペインOPとはまた違った緊張感がありましたが、日本にいる母体のコーチ陣とも連携を取り、万全の状態で試合に臨めたことが勝因だと思います。時差もある中、一緒になって考えてくれました。本当に感謝です。
ちなみにイタリアは食事が合わず、持参した炊飯器とレトルト食品でほとんど過ごしていました‥‥。勝負メシはやはり「炊き立ての白いご飯」一択です。
ちなみにイタリアは食事が合わず、持参した炊飯器とレトルト食品でほとんど過ごしていました‥‥。勝負メシはやはり「炊き立ての白いご飯」一択です。
全日本オープンパラ卓球選手権大会 個人戦・団体戦優勝
帰国してから5日後の大会で疲労回復や時差ボケが落ち着かないまま臨んだ大会でした。とはいいつつ代表選手のほとんどは私と同様に海外遠征後だったので、そんな言い訳は通用しません(笑)直前まで日本代表として同じ海外遠征で共に戦っていた選手と試合をするというやりにくさがありましたが、個人戦で優勝することができました。帯同してもらった山岸コーチを始め、いいチームワークで試合に臨めたことが勝因だと思います。
団体戦では車イス卓球を始める前からお世話になっており、声をかけていただいた「ディスタンス」というチームで出場。大先輩と組ませていただき、何としても優勝を勝ち取りたかったので、とても嬉しかったです。
世界ランキング3位に。今後に向けて
2023年4月1日の世界ランキング(クラス4)にて3位と発表されました。(ダブルスは2位)パリ2024パラリンピックの出場枠は16名。そのうち8名はランキング枠なので現状を維持できれば出場権を得られることになります。ただランキングを維持するということが難しいのがパラ卓球の世界です。これからは大会選びがより重要になってきます。次は1年間のワールドツアーで最もレベルが高いと思われるスロベニアOP(2023年5月9~13日)に出場します。悔いの残らない一年になるよう、そして立位で東京パラリンピックに出場できなかった悔しさをパリでぶつけられるよう頑張っていきたいと思います。
応援の程、よろしくお願いいたします。
サステナビリティ推進部
DE&I推進室
七野一輝
公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)が行うアスリート就職支援制度「アスナビ」を通じ2021年オカムラ入社、パラ卓球日本代表としての競技活動と並行して現在サステナビリティ推進部にてDE&I関連全般の担当、セミナー・イベントなどの推進活動、主に育児・介護の両立支援、障がい者定着支援に関する取り組みを担当。2022年5月からこれまでの立位クラスでの競技から車イスクラスに転向、パラリンピックをめざす。
七野一輝(個人アカウント)
Twitter:@Kazuki_Shichino
Instagram:@kazukishichino
Amebaブログ:パラ卓球 七野一輝 オフィシャルブログ
DE&I推進室
七野一輝
公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)が行うアスリート就職支援制度「アスナビ」を通じ2021年オカムラ入社、パラ卓球日本代表としての競技活動と並行して現在サステナビリティ推進部にてDE&I関連全般の担当、セミナー・イベントなどの推進活動、主に育児・介護の両立支援、障がい者定着支援に関する取り組みを担当。2022年5月からこれまでの立位クラスでの競技から車イスクラスに転向、パラリンピックをめざす。
七野一輝(個人アカウント)
Twitter:@Kazuki_Shichino
Instagram:@kazukishichino
Amebaブログ:パラ卓球 七野一輝 オフィシャルブログ