今回のテーマは、「インターンシップ」。就業体験を通して、企業の魅力を発信したり、理念への理解促進を深めたりする取り組みです。あらかじめ実務を経験することでミスマッチを減らせるため、採用活動の一環として多くの企業で導入されています。オカムラでもインターンシップを実施しており、参加した学生から高い評価を集めています。
そこで、インターンシップの全体計画・運営をしている人事部 人財採用課の髙橋麻実と杉田理奈、そして、実際のプログラム企画を担当した商環境事業本部 エンジニアリング部 首都圏施工・技術センターの松岡淳雄に、編集部がインタビュー。インターンシップに込めた思いや、学生へのメッセージについて聞きました。
オカムラを“知ってもらう”ためのインターンシップ
――まずは、髙橋さんにうかがいます。オカムラのインターンシップの全体像についてお聞かせください。髙橋麻実(以下、髙橋):インターンシップと言えば、採用につながるというイメージが強いかもしれませんが、オカムラでは参加者にオカムラの事業や企業理念について知ってもらうことを主眼においています。というのも、オカムラは店舗の陳列棚や物流倉庫向けシステムなど、さまざまな製品を扱っていますが、やはり「オフィス家具・イスのメーカー」というイメージが強いようで……。まずは、生活のいろいろなところに、オカムラの製品・サービスとの接点があることを知ってもらいたいと考えています。
――確かにオフィス家具は、メインとなる事業ですが、それだけではありませんね。多種多様なオカムラの仕事をどのように伝えていますか。
髙橋:Z世代と言われるみなさんは、仕事の内容だけでなく、仕事を通して「どんな価値が生み出せるのか」「どんな成長ができるのか」といったことに感度が高い。なので、仕事の川上から川下までを包括しつつ、企業理念のオカムラウェイをしっかりと伝えるようにしています。同時に、就職活動全般や働くことについて知識を得たり、興味の幅を広げたりする「きっかけづくり」にも貢献したいですね。
――なるほど。では、そんなオカムラのインターンシップの特徴について教えてください。
髙橋:はい。職種によって細分化されたコースと、受け入れ側の各事業部が自ら企画・実施するプログラム内容の多様さが特徴です。日々、現場で働いている社員がインターン担当者となるので、リアルなオカムラ社員や職場の雰囲気が伝わります。
――人事部だけでなく、一般社員と接する機会は、学生にとって貴重ですよね。
髙橋:そうだと思います。担当者はインターンシップの個々プログラムに積極的に向き合っているので、過去の参加者からは、「親身に相談に乗ってもらえた、オカムラ社員の人柄や社風のよさがわかった」と好評です。また、担当した社員からは、自分の業務をあらためて俯瞰してみるきっかけになった、といった嬉しい声も寄せられています。
学生と企業が対等なインターンシップを企画したい
――次に、インターンシップの企画や採用面接など、採用活動の実務に携わっている杉田さんにお話をうかがいます。学生のみなさんと接する際に、どんなことを意識していますか。杉田理奈(以下、杉田):一番重視しているのが、「企業が一方的に学生を評価しない」ことです。私自身、学生時代に企業のインターンシップに参加しましたが、「今、評価されているのかな。ちゃんとしなきゃ」と、どうしても気になってしまっていました。でも、採用担当の立場になってみると、「オカムラのことを少しでも知ってほしい」「この機会にいろんな気づきを得てほしい」という想いのほうが圧倒的に強くて。だからこそ、参加者がのびのびと楽しめるように気を付けています。
杉田:はい。あとは、企業理念を語るだけでなく、私自身の発言や行動するうえでオカムラウェイを意識することも心がけています。社員の立ち居振る舞いから伝わるものがあると思いますので。
――他にも何か気を付けているポイントがあれば教えてください。
杉田:自分自身がオカムラをよく知ることですね。社内の人たちがどんな仕事をしているのか、一人ひとりの働き方や想いを知っていると、学生のみなさんに伝えられることも増えると考えています。
――しかし、この2年のコロナ禍では、対面でのプログラムが開催できなくて、オカムラの魅力を伝えるのに苦労したのではなないですか。
杉田:そうですね。物理的な距離にとらわれずに活動できる、というオンラインならではのメリットも体感しましたが、社員の人柄や職場の雰囲気を伝えるうえでは、やはりもどかしい部分も多かったですね。しかし、オンラインでのプログラムも、参加者に有意義な時間を過ごしてほしい一心で、企画運営を担当するメンバーと打ち合わせを重ねながらオペレーションをブラッシュアップしました。職場の様子がわかりやすいカメラアングルを模索したり、分刻みの進行表を作ったり(笑)。
――参加される学生のみなさんに、どのようにオカムラのインターンシップを活用してほしいですか?
杉田:とにかく気負わずに、素のままで参加してもらえたら。オカムラについてだけでなく就職活動全般の疑問に対しても、先輩たちが親身にアドバイスをくれると思います。そして働くということへのイメージを少しでも持ってもらえたら嬉しいですね。
インターンシップをきっかけに、“はたらく”ことを考えてみてほしい
――先輩社員としてインターンシップに参加する松岡さんにもお話をうかがいます。まずは、所属部署の概要とご自身の業務内容についてお聞かせください。松岡淳雄(以下、松岡):商環境事業本部のエンジニアリング部に所属し、「施工管理」を担当しています。商環境事業の仕事は、スーパーやコンビニエンスストア、ホームセンターなど、小売店の店内レイアウトや、什器の製造、施工、メンテナンスなど、さまざまな店舗づくりをトータルプロデュースすること。私は、冷凍冷蔵ショーケースや店舗用什器の納品・施工を担当。店舗の現場で施工業者さんと協力し、作業や搬入指示、立会いを行ないます。
松岡:意外と身近なところにオカムラ製品があるんですよ。冷凍冷蔵ショーケースの設置は、家庭用冷蔵庫のように電源につないで置くだけというわけではなく、室外機や熱交換器といった機器が必要。加えて、電源の場所や空調の風の方向、店舗全体のレイアウトなど、さまざまな要素に留意してパフォーマンスを最大限に引き出す環境を作らなければいけません。施工管理では、そういったことも担当しています。
――「施工管理」とひと口に言っても、その業務範囲はかなり幅広いんですね。
松岡:納品先の店舗ごとに環境も、お客様のご要望も異なるので、営業やデザイナーと連携する必要があります。ヘルメットをかぶって現場に出る日もあれば、オフィスで事務作業をする日も。仕事の領域が広いと大変ですが、そのぶんやりがいも感じています。
――松岡さんは、2021年度からインターンシップを担当していますが、商環境事業本部では、どんなプログラムを実施していますか。
松岡:コロナ禍だったので、オンラインでのグループワークや座談会などが中心でした。実際に働くようになると、さまざまな部署や取引先とチームで仕事をすることが多いので、「店舗をつくるときに、クライアントからどんな要望を引き出すか?」という課題を出して、初対面の人とのコミュニケーションやチームでの共同作業を体験してもらいました。オンラインでのやりとりは表情やリアクションがわかりにくいので、学生のみなさんが返答しやすいシンプルな質問やコミュニケーションを心がけています。
松岡:以前は、実際にスーパーに設置されているオカムラ製品を見に行ったり、安全が確保できる環境で施工現場を見てもらったりしていました。そのあとに、「今まで気に留めていなかったが、近所のスーパーであらためて冷ケースを見たらオカムラのロゴを見つけた。身近にオカムラがあることがわかった」などのリアクションがあり、嬉しく思いましたね。
――学生のみなさんとの座談会では、どんなことを話しますか?
松岡:担当業務やオカムラについての質問はもちろん、就職活動や働くことについてなど、いろんなテーマに対して「社会人の先輩」としてざっくばらんに話しています。「なんでオカムラに入ったんですか?」と、ストレートな質問をもらったことも(笑)。
オカムラがインターンシップを通して伝えたい“想い”
――では、みなさんが働くうえで大切にしていること、そしてこの先はどんな仲間と働いていきたいか、聞かせてください。
髙橋:「仕事を通して出会った人を笑顔にできることは何か」を心がけています。これは私個人の想いではありますが、オカムラウェイの中核概念「人が活きる」にも通じることだと思います。そして、これからは多様化の時代です。新しい課題を「どうすれば解決できるのか」、最適解を前向きに考えられる人とめぐり会いたいですね。オカムラには多くの事業部や職種があるので、ともに働く仲間も多様であってほしいと思います。
松岡:活き活きと働く人や買い物をする人が集まるお店は、活気にあふれていますよね。担当業務の施工管理を通じて、そんな環境づくりにさまざまなメンバーと携わっていきたいです。髙橋さんが言うように、これからの働き方には多様性が不可欠です。多様だからこそ、互いの意見がぶつかり合うこともある。でも、一人ひとりに少しの思いやりがあれば、歩み寄って先に進めます。そんなチームは、ともに長く働けるでしょう。私自身、仕事に取り組む中で、この視点を大切にしています。
杉田:そうですよね。オカムラでは多様な職種のメンバーがひとつのプロジェクトに取り組むことが多いので、思いやりや共感する姿勢は大事だと思います。私の場合、自分のアクションがきっかけで、周囲にポジティブな効果が生まれたと思うときに、「活き活きと働けた!」と感じることが多いです。まだまだ学ぶことはたくさんありますが、今働いている人も、これから働く人も、自分がどんなときに活き活きしているのか振り返ってみると、自分らしく働くことのヒントが見つかるのでは、と実感しています。
インタビュー後記
インターンシップに携わる3名へのインタビューからは、「企業と学生が対等な立場で、互いのことを知ることで良い関係を築きたい」という思いが強く伝わってきました。今年のインターンでも、活気あふれる多様なプログラムが実施されます。新たな出会いや気づきが生まれる、「人が活きる」時間となることでしょう。(編集部)