岩手県釜石市に、釜石市、株式会社かまいしDMC、日鉄興和不動産株式会社、オカムラにより2021年10月開業したワーケーション施設「Nemaru Port(ねまるポート)」。釜石には生産拠点・エヌエスオカムラがあり、オカムラと長年縁の深い場所です。オカムラは施設デザインと家具納入を担当、今後はワーケーションの知見提供や有効性実証などを展開予定です。その第一歩としてワーケーションのトライアルが実施されました。参加したメンバーによる渾身のレポートを3回シリーズでお届けします!
こんにちは! オカムラ オフィス環境事業本部 事業戦略部の岸 杏奈です。オフィス市場における販売促進やウェブプロモーション業務を担当しています。今回は釜石でのワーケーション体験レポートをお届けしたいと思います!
ワーケーションとは「ワーク(労働)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語です。オフィスや自宅ではなく、テレワークをうまく活用して観光地やリゾート地などで働きながら休暇もとっちゃおう、という考え方で、新型コロナウイルス感染症の流行によるニューノーマルな働き方として注目さてています。バケーション中心の「休暇型」や、研修や地域創生を目的とした「業務型」など、定義や種類もさまざま。まだ本格的な制度化に至っていない企業も多く、各自治体や企業がその可能性を模索しています。
正直、「やっとテレワークが普及してきたくらいなのに、いきなりワーケーションはハードルが高いだろう」という方が、まだまだ多いと思います。実際に私もワーケーションに参加するまでは、言葉は知っていても実際にはどんな感じなのか、想像がつきませんでした。
でも、実際に行ってみるとぼんやりとしていたものがかなり鮮明になりました。それだけじゃない、「働く」ことに関する価値観もだいぶ変わったと思います。これ、大事なことなので2回言います。
「働く」ことに関する価値観もだいぶ変わりました。
何がどう変わったかは最後にお話しするとして…… まずはワーケーションに行く前に私が抱いていたイメージをまとめておきます。
【ワーケーションに参加するまでの私のイメージ】
- 日中はホテルや施設でワーク、定時を過ぎたら街に繰り出してバケーション?
- ワーク:バケーション=7:3くらいかなぁ
- やっぱり観光地やリゾート地に行きたい!
- でも結局仕事しちゃうかも……
- だったらわざわざ平日にバケーションする必要もないのでは……?
これはあくまで私のイメージです。人によって、もともとワーケーションに抱いている印象は異なると思います。私は、「楽しそうだけど、実際のところは難しいんじゃないか」という意見でした。そして、ワークとバケーションは水と油のような、ある程度相反するものだと認識していました。さて、このようなイメージが3日間のワーケーションを終えてどのように変わったのか、全3回の超大作でお届けします! 最後まで楽しく読んでいただければと思います。
釜石市ってどんな街?
釜石市は岩手県南東部に位置する、「鉄と魚とラグビーの街」です。近代製鉄業発祥の地で、最盛期は9万人を超える人口でした。岩手県の中では比較的温暖な気候で、リアス式海岸で有名な三陸漁場で獲れる新鮮な海産物が有名です。また、地元出身の叩き上げの選手を中心とした新日鐵釜石ラグビー部による日本選手権7連覇(1978-1984年)の偉業から、2019年のラグビーワールドカップでは東北唯一の開催都市に指定され、日本全土を熱狂させました。※
オカムラも、この地に株式会社エヌエスオカムラという生産拠点を構え、おもに中軽量ラック(物品棚)やさまざまな製品の部材を生産しています。
※参考 ラグビーのまち釜石 釜石シーウェイブスRFC (kamaishi-seawaves.com)
なぜ、釜石でのワーケーションなの?
実はオカムラ、釜石市・株式会社かまいしDMC・日鉄興和不動産株式会社と4者共同プロジェクトで、釜石にワーケーション施設をつくっちゃいました!(わ~パチパチ)その名も……「Nemaru Port(ねまるポート)」
「ねまる」とは、釜石地方の方言で「ゆっくりしていく、家に寄っていく」という意味があります。現地の人は「ねまってけ」=「ちょっとお茶でも飲んでいって」というように使うそうですよ。
オカムラは、施設デザインとオフィス家具の設計を担当。日鉄興和不動産のオフィス開発におけるノウハウを生かし、最新のオフィスとしての環境整備を行い、かまいしDMCの管理によって運営されています。
※参考 岩手県釜石市における新たなワーケーション施設「Nemaru Port(ねまるポート)」
今回のワーケーションプログラムの目的
「Nemaru Port」を今後どのように活用していくか、社内外においてワーケーションの可能性をどのように提案していくかを検討するために、事務局を中心にワーケーションを体験してみるプログラムを実施しました。参加メンバーの所属部署や目的もさまざま。自治体に対し地方創生推進をサポートする部門や、未来の働き方を考えるコンサルティングチーム、SDGsや環境対策に取り組むサステナビリティ推進部門や、ワーケーションの人事制度化を検討する人事部門、顧客提案への可能性を検討する営業部門、そして現地エヌエスオカムラからも中堅社員が参加しました。これだけでも、ワーケーションっていろんな活用方法や目的意識があることわ分かりますよね。メインのプログラムは3日間。「Nemaru Port」を基地に、エヌエスオカムラやかまいしDMCさんの全力協力のもと、濃密なプログラムを体験してきました!
1日目 移動~Nemaru Portへ
初日は東京→釜石へ各自で移動。新幹線で新花巻まで約2時間30分、釜石線へ乗り継いで約1時間30分かけて釜石へ向かいます。さ…さむい!!
東京よりも5℃くらいは気温が低いようで、新幹線から新花巻駅に降り立った瞬間にヒヤッとして目が覚めました。
JR新花巻駅の建物を出て、トンネルのような地下道をくぐると……
ローカル線!! 単線!!いいですね~!
都会ではなかなか見られない風景です。車内もレトロで素敵です。
オフィスにいると、分刻みのスケジュールをこなしたり、他の社員から話しかけられたりと、なかなか一人でじっくり考える時間は取れません。それも大事な「ワーク」ですが、こんな風に、普段見ない風景や接しない人と関わることでインプットされる気づきが必ずあります。これも、もちろん「ワーク」です。
「働くことって、オフィスでパソコンとにらめっこすることだけじゃないんだな」
まだまだワーケーションは始まったばかりですが、序盤から思わぬ発見がありました。
そうこうしている間に、着きました!釜石駅です!駅を降りるとすぐ目の前には日本製鉄株式会社の釜石製鉄所があります。エヌエスオカムラの工場も同じ敷地内にありますが、それは明日のお楽しみ。まずは「Nemaru Port」へと歩いて向かいます。
「Nemaru Port」へ到着!
到着しました「Nemaru Port」!釜石駅から徒歩15分ほどの場所にあります。外観は少しレトロな一軒家。お団子屋さんの店舗だった建物をリノベーションしています。2011年の東日本大震災では多くの住宅や店舗が津波で被害を受けましたが、もともと店主の高齢化や後継者不足に陥っていた店舗も多く、震災を機にそのまま廃業してしまったお店も多いそうです。こちらは震災後に場所を変えて再建した、貴重な建物です。
室内では、早速ワーケーション参加メンバーが個人ワークをしていました! テラスを見ながら働けるソファ席や、少し籠り感のあるワークブース席、複数でミーティングも可能なセッションスペースなど、限られた空間ながら業務に合わせて場所を選択することができます。木や石など、自然由来の内装材もたくさん使用されているので、いつものオフィスよりリラックスできる気がしますね!
フルクローズのワークブース「TELECUBE by okamura」もあります。私は到着早々WEB会議の予定が入っていたので、こちらのテレキューブを使用しました。
コーヒーや紅茶は無料で飲み放題!アプリをインストールして購入する無人コンビニでお菓子や軽食も購入できます。近所にこんな施設があったら居座ってしまいそう…
ガラス窓には周辺の施設や飲食店情報が書かれた地図のイラストが。おいしそうなお店や楽しそうな施設がいっぱいで、これから始まる旅が一層楽しみになりました。
数時間の個人ワークのあと、今回のプログラムのオリエンテーションで1日目は終了。いよいよ翌日から充実のコンテンツが始まりますが、ここまででも普段の日常と比べて、非常に刺激的な一日になりました!
明日からどうなっちゃうんだろう!? 期待で胸がいっぱいです!!!
2021年12月ワーケーション参加