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オカムラウェイ、その背景にあるもの顧問 土志田貞一

2022.07.05

オカムラで働く一人ひとりの事業活動や意志決定の拠りどころとなる新経営理念「オカムラウェイ」。これを構成する、「オカムラのミッション」「オカムラ宣言」「私たちの基本姿勢-SMILE-」の根幹には、創業当時から受け継がれてきたチャレンジ精神とチームワークが反映されています。そして「人が活きる社会の実現」への想いがあります。

今回は、コーポレート担当役員時代に、オカムラウェイの誕生のきっかけとも言える社名変更や、「私たちの基本姿勢-SMILE-」の基となった行動指針策定プロジェクトを推進してきた、顧問・土志田貞一のインタビューをお届けします。オカムラウェイの根幹にあるDNAとは何か? オカムラウェイに込めた想いを聞きました。
 

オカムラウェイのきっかけとなった社名変更

――まず、オカムラウェイ策定につながる背景からふりかえりたいと思います。きっかけとなったのは、やはり2018年の社名変更でしょうか。

土志田貞一(以下、土志田):元をたどれば、「岡村製作所」から「オカムラ」への社名変更がきっかけです。事業が多角化し「オカムラ」でのイメージが広がる中で、社名の「岡村製作所」との間にギャップが出てきて、お客様から驚かれることも。「こういう社名でしたか」という反応は、営業の現場で珍しくなかったと聞きます。こうした背景と、プロダクトからソリューションを提供するというマーケットシフトが相まって、最終的には2018年4月1日に、「株式会社オカムラ」への社名変更を行いました。
 
顧問・土志田貞一。コーポレート担当役員時代、社名変更や行動指針策定プロジェクトを推進
顧問・土志田貞一。コーポレート担当役員時代、社名変更や行動指針策定プロジェクトを推進

――2018年に社名変更だけでなくミッションを初めて明文化し、コーポレートメッセージと行動指針もつくったとのことですが、それはなぜでしょうか。

土志田:時代の変化に即した発信をしたいと考えたからです。オカムラには、すでに社是として「創造」「協力」「節約」「貯蓄」「奉仕」がありました。また、モットーとして1961年から掲げている「よい品は結局おトクです」もあります。しかし、トータルソリューション企業としてグローバル化をさらに高めていくにあたり、社名変更をひとつのきっかけとして、より今の時代に沿った姿勢も打ち出そうと考えました。

――それで、2017年から1年ほどかけて策定に取り組んだわけですね。

土志田:そうです。この機会に初めて、ミッションを「豊かな発想と確かな品質で、人が集う環境づくりを通して、社会に貢献する。」と明文化しました。そしてコーポレートメッセージ「人を想い、場を創る。」を打ち出しました。

※ミッションは2021年より「豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献する。」
オカムラらしさを「仕事とお客様にまじめに向き合い、一歩先のことを考えていくこと」と語る土志田
オカムラらしさを「仕事とお客様にまじめに向き合い、一歩先のことを考えていくこと」と語る土志田

――当時ミッションとコーポレートメッセージと同時に発表された行動指針は、従業員の拠りどころとして検討されたんですよね?

土志田:はい、外部へ向けた発信だけでなく、従業員の拠りどころが必要です。その拠りどころは、これからのオカムラを担う人たちにつくってもらうべきとの思いから、中堅のメンバー中心のプロジェクトで考えてもらうようにしました。メンバーからの提案は手を加えられることなく、そのまま役員をはじめとして会社からの正式承認を受けました。それが行動指針「SMILE」で、その後今回オカムラウェイの「私たちの基本姿勢-SMILE-」となりました。

――社名変更と同時にミッションやコーポレートメッセージ、行動指針を打ち出す中で、今までと「変えてはいけない」と考えたのはどんなことですか。

土志田:メーカーとして「世の中にものを提供していく企業であること」です。これは忘れてはいけない。そして具体的なものやことの提案をするにあたり、「新しい価値を常に考えていくこと」という想いも変わりません。オカムラが手掛けるすべての事業は、社会インフラの一端を担っていると言えるのではないでしょうか。「自分たちは世の中を支えているんだ」という想いは、仕事への誇りや、社会に向けて新しい価値を提案する姿勢につながると考えています。

――社是やモットーといった、オカムラウェイにもDNAとして残る部分に通じる考えですね。一方で、大きく「変えた」部分はどんなことですか。

土志田:個人と組織の変革につながるメッセージを重視したことです。私の世代は創業者の吉原謙二郎と直接対話する機会があり、「先のことを考え、現状を変えていかなければいけない」という創業時の考え方を根底に持ち続けています。しかし、組織が大きくなるにつれ、全員がこの考え方を共有するのは難しくなっていると感じていました。
また、オカムラの成長過程で得た成功体験にかじりついていては、新たな時代の変化に対応できないという危機感もありました。こうしたことから、一歩先を考えて仕事に取り組むことの大切さを改めて伝えたいと考えました。

――社名変更の当時から、働く一人ひとりが変革の意識を持ち縦と横に連携しながら、ビジネスの未来を創ることをめざしていたわけですね。
 
2021年オカムラウェイ策定までの理念体系の変遷
2021年オカムラウェイ策定までの理念体系の変遷

生産拠点と本社、両方の経験から得たもの

――土志田さんご自身は、1975年に入社され、生産拠点と本社での勤務の両方を経験されていますが、そのご経験からどのようなことを得られましたか?

土志田:いろいろなことが見えるようになりました。例えば、今はない事業ですが、システムキッチンやインターウォールといった木製の収納家具を担当していたことがあります。今で言う「BtoC」の事業です。この時は、納品時の立会いなどお客様の喜ぶ顔を直接見ることができました。この経験は、自分の仕事に対する姿勢に大きな影響があったと思います。

――それはなぜでしょうか?

土志田:個人のお客様にとってシステムキッチンは非常に高額な買い物です。そのぶん、たとえ扉の角のちょっとした傷でもあってはならないことです。それは大量生産でも同じこととはいえ、お客様を身近とする仕事を通じてより強く感じました。そうした経験も踏まえながら、素材から部品加工、組み立て、どの部分においても手を抜いてはいけないという気持ちで仕事をしてきました。
また、生産能力不足によって、営業担当者はもとより、お客様にご迷惑をおかけするという事態に直面したこともあります。こうした経験が、経営に携わるようになってから、工場の生産体制だけでなく、全社にまたがる課題解決に取り組む必要があるという視点につながったと感じています。
 
「工場での一つひとつの工程で作業を確実に行う。これも『人が活きる』に通じる」と土志田は話す
「工場での一つひとつの工程で作業を確実に行う。これも『人が活きる』に通じる」と土志田は話す

――さまざまな現場を目にした経験が、仕事への姿勢に活きたということですね。

土志田:そうですね。聞いただけではわからないことが、たくさんあります。だからこそ、私は現場を体験する教育が大事だと思っているんです。現場での体験は、「世の中に役に立つものを自分の手で生み出したい」という想いを育む原動力になるはず。その点においても、今回新しい経営理念としてオカムラウェイでミッションを改めて明確化できたことは、意義深いことだったと実感しています。
 

オカムラウェイとして改めて「SMILE」精神を大切に

――2018年に社名変更と、初めてオカムラのブランドを意識したメッセージを打ち出すことに関わってきたわけですが、今回、改めて整理が行われた新企業理念「オカムラウェイ」については、どう思われますか。

土志田:社外に向けてより分かりやすくなったと思います。昨今、企業の社会貢献、発信力の強化が必要になる中、私は以前から、オカムラの製品だけでなくコーポレートとしてのブランドを強化していきたいと考えていました。社名変更のタイミングから実施してきたことを、今回オカムラウェイとして整理したことで、より強く発信できるようになったのはよかったと思います。また中期経営計画にも、売上などの数字と並び、コーポレートブランディングの強化が項目として盛り込まれています。
今まで社内向けの位置づけだった「行動指針SMILE」は、これからは「私たちの基本姿勢‐SMILE-」として、社外に広く伝えながらオカムラのメンバー自身が実践してほしいと思っています。
 
社内向けの「行動指針」は、オカムラウェイ策定により「私たちの基本姿勢-SMILE-」へ
社内向けの「行動指針」は、オカムラウェイ策定により「私たちの基本姿勢-SMILE-」へ

――「SMILE」は、「Shine」「More」「Imagine」「Link」「Expert」の5つのアプローチから成り立っています。オカムラ社内の中堅世代メンバーを中心に検討してまとまったと伺いましたが、それぞれの項目についてはどのような印象を持ちましたか。

土志田:もともと策定当時、最初に聞いて素晴らしいなと感じたのは、一番はじめに「Shine」があったこと。「学び・感性を磨くことで、自分が活きる」ですね。私はバスケットボールの経験もあり、スポーツが好きです。それもあって、新入社員への研修などではスポーツを例に挙げて「チームワークが大事です」と話してきました。ただ、その前に一人ひとりの実力がないと、チームワークがよくても勝つことはできません。だからこそ、自分を磨き、自分が活きるというのがいいなと思いました。

――その考えがオカムラの未来を担うメンバーから出てきたことは大きな意味がありますね。

土志田:そうですね。若い世代のメンバーがきちんと議論をして、とても良いものになっていると思います。一人ひとりが、今回新しくなった「私たちの基本姿勢-SMILE-」に書かれたひと文字ひと文字を、改めて「自分ごと」としてしっかり受け止めて、ビジネスパーソンとしての人生を歩んでいってほしいと思っています。
 
本社に新設されたカフェスペースにて。窓から見える横浜の景色も、オカムラ同様、時代とともに変わっている
本社に新設されたカフェスペースにて。窓から見える横浜の景色も、オカムラ同様、時代とともに変わっている
土志田 貞一
略歴
1975年 4月 株式会社岡村製作所(現・株式会社オカムラ) 入社 勤労部 配属
1988年 12月 生産本部 第一事業部 戸塚工場長
1991年 3月 生産本部 第四事業部長
情報システム部長・経営企画部長などを経験後
2006年 6月 取締役企画本部長 兼 経営企画部長
常務取締役・専務取締役を経て
2019年 6月 取締役 専務執行役員 コーポレート担当
2021年 6月 顧問
2021年8月取材

インタビュー後記

土志田の語る言葉からは、「オカムラウェイ」の根幹にあるオカムラDNAを強く感じました。「オカムラウェイはすべての従業員にとって、働く意味や会社に所属する意味を共有できるもの」と、土志田は言います。過去を単に刷新したわけではなく、それらを継承しつつ、時代の変化に合わせて策定されたもの。そこにオカムラウェイの本質があるのではないでしょうか。
 

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