カテゴリー

本サイトについて


TAGS


ABOUT

イスを選ぶと自分が見えてくる? 立教大学舘野ゼミ×オカムラ ワークショップ

2026.07.23
企業パーパスに「人が活きる社会の実現」を掲げるオカムラ。この「オカムラを知る!」では、オカムラグループのさまざまな取り組みを紹介していきます。

今の自分を表す1脚を選ぶとしたら、どんなイスを選ぶでしょうか。2026年春、オカムラは、立教大学経営学部・舘野 泰一准教授とともに、約60人の舘野ゼミ生が参加する2日間のワークショップ「自分を理解し、自分“らしい”イスを選ぼう」を実施しました。レクチャーやオフィス見学を経て自分らしい1脚を選び、その理由を互いに掘り下げる体験を通して、学生たちは何を感じ、どんな発見があったのでしょうか。参加した3人に話を聞きました。
2026年6月取材

立教大学・舘野 泰一准教授のインタビューはこちらから
 

「イスを選ぶ」が、「自分を知る」につながる

――今回のワークショップでは、「今の自分を表す1脚」を選んでいただきました。3人とも異なるイスを選んでいますが、どんな観点で選んだのでしょうか。
立教大学 経営学部 経営学科 4年 木島 陸さん
立教大学 経営学部 経営学科 4年 木島 陸さん
木島 陸(以下、木島):僕が選んだのはBaron(バロン)です。実は僕、駅伝部で箱根駅伝も出場していまして、ずっと走ってきた感覚が体に染みついているんですね。だから「自分らしいイス」を考えたとき、重厚感より軽やかさに惹かれたんです。4年生なので1年後に働く自分もイメージしたのですが、おそらくじっと座り続けて作業するのは性に合わないだろうなと。
――箱根駅伝に出場されたんですね。馬杉さんはいかがですか?
 
立教大学 経営学部 経営学科 3年 馬杉 奈侑さん
立教大学 経営学部 経営学科 3年 馬杉 奈侑さん
馬杉 奈侑(以下、馬杉):私は直感でピンときて、Sabrina(サブリナ)を選びました。オフィスチェアらしい佇まいがありつつ、背もたれの曲線美に惹かれました。
なぜ惹かれたんだろうと振り返ったら、自分が働くとき、あの曲線のように凛としていたいからだと気づきました。
――お二人とも自分が働くときをイメージされましたね。では、山本さんは?
 
立教大学 経営学部 経営学科 2年 山本 愛華さん
立教大学 経営学部 経営学科 2年 山本 愛華さん
山本 愛華(以下、山本):私が選んだのはFinora(フィノラ)で、キャスター付きの動きやすさが決め手です。
正直、まだ働くイメージは湧かないのですが、1カ所に固定されているよりも、動き回ってすぐ人に声をかけられるほうが自分には合っている気がしました。
3人が選んだ「自分“らしい”イス」(ワークショップにて撮影)
3人が選んだ「自分“らしい”イス」(ワークショップにて撮影)
――同じ「自分らしさ」でも、選ぶイスも理由もまったく違うのが面白いですね。

馬杉:同じイスを選んだ人同士でも着目する点が違うんです。同じSabrinaでも「可愛らしい」と表現する人もいれば「地に足をつけている」と言う人もいました。

木島:たしかに。僕は動けるキャスターが付いたBaronを選びましたが、キャスターのないイスを「安定感がある」とプラスに捉えて選ぶ人もいました。ワークショップの2日目には、選んだイスと一緒にポーズを決めて撮影する時間がありました。僕はイスと肩を組んで、登り坂を走る雰囲気を表現したのですが、人によってまるで違う写真になっていましたね。
「選んだ理由と同じく、イスとの写真撮影も人によってポーズがさまざま」(木島さん)
「選んだ理由と同じく、イスとの写真撮影も人によってポーズがさまざま」(木島さん)
ワークショップで撮影した写真は冊子にまとめられた
ワークショップで撮影した写真は冊子にまとめられた
山本:Finoraを選んだのは自分を含めて3人。ワークショップの中でイスに自分らしいキャッチコピーをつける時間があって、私はFinoraのスタイリッシュさとかわいらしさに、自分の名前(愛華)をかけて「芯のある花」に。ほかの2人は「静と動」「強さとしなやかさ」でした。言葉は三人三様でも二面性を捉えている点は共通していて、お互いの価値観が透けて見える感覚が面白かったです。

――まさにイスを通じて自己理解を深めたわけですね。

木島:そうですね。僕はイス選びの前に、まず自分の理想像を書き出してみました。普段は陸上と学校で忙しく動いているので、プライベートの理想は「落ち着いてゆっくり過ごすこと」。でも仕事について考えると、責任感のある仕事、ある程度の忙しさ、自分にしかできない役割を重視している自分がいました。実際に選んだのも、機能性や動きやすさに優れたBaron。僕にとって働くことは、競技に打ち込む感覚の延長にあるんだと、ワークを通じて気づきました。

馬杉:私は「就職したらバリバリ働いてやるぞ」とずっと思っていたのですが、単に仕事に忙殺されるのではなく、凛とした姿勢で、心に余裕を持って気配りができるゆとりの中で働きたいということに、ワークショップを通じて気づきました。
「就活の自己分析とは異なるアプローチで働き方の解像度も上がった気がする」(馬杉さん)
「就活の自己分析とは異なるアプローチで働き方の解像度も上がった気がする」(馬杉さん)
山本:これまで自己理解というと、紙に書き出すとかMBTI診断くらいしか思い浮かばなかったのですが、今回はイスを選ぶ中で自然と自分への理解が深まっていきました。「選ぶ」と「知る」が同時並行で進んでいく感覚が新鮮でしたね。
 

立教大学経営学部 舘野ゼミ×オカムラ ワークショップ
「自分を理解し、自分“らしい”イスを選ぼう」

立教大学の舘野 泰一准教授は、企業・教育機関における若年層のリーダーシップ教育を専門に研究・実践しており、舘野ゼミでは企業と連携したプロジェクトを積極的に展開しています。オカムラとの関わりは2024年からで、今回で3回目(過去に「あなた色のはたらく」「ものがたり」を実施)。2026年度春学期は「イス」をテーマにした本格的なワークショップが実現しました。
 

  • 会場:オカムラ 共創空間Sea

  • 参加者:舘野ゼミ生(新2~4年生)約60名、オカムラ従業員


DAY1 4月30日(木)
イスの歴史やタスクチェアの変遷、現代のオフィス空間のトレンドについてオカムラ従業員によるレクチャーを受けた後、ショールームとオフィスを見学。その後、自己理解ワークに取り組み、2人1組で「相手に似合いそうなイス」を選び合いながら、最終的に「自分らしい1脚」を決定しました。

DAY2 5月7日(木)
DAY1で選んだイスとともに、カメラマンによる撮影を実施。撮影の合間には「なぜそのイスを選んだのか」「そのイスにどんな自分らしさを感じたか」を共有し、オカムラ従業員も加わりながら互いに深掘りする時間を設けました。

                                    

 

「働くための箱」だけではない、オフィス空間の価値

――今回オカムラのショールームやオフィスも見学していただきました。率直にどんなことを感じましたか。

木島:僕は就活でいろいろな業界のオフィスを見てきたので、ある程度は知っているつもりでしたが、オフィス空間を提供する側であるオカムラは、さらに一歩先のことに挑戦していました。とくにそれを感じたのが、We Labo(ウィラボ)を訪問したときに見たウッドチップを敷き詰めたエリアです。森の中にいるような空間は、そこで交わされる会話の雰囲気まで変えてしまいそうだなと感じました。

馬杉:ウッドチップのエリアは私も印象に残っています。ほかにも植物がつるされていたり、ブロック玩具が置かれていたり、遊び心がありつつも落ち着いた雰囲気で、働く人の心理を考えて丁寧に設計されていました。フロアごとにコンセプトが異なると聞いてからは、他のオフィスに行っても「ここはどんな意図で設計されているんだろう」と想像するようになり、オフィスを見る目が変わりました。

山本:私は、実際のオフィスを目にしたのは今回が初めてです。AIとの対話や個人作業が増えている時代に、人が同じ場所に集まる意味は何だろうと考えたとき、リラックスした空間でふと出た一言が、誰かを動かす種になることもあるのではないかと思うんです。オカムラのオフィスは会話が自然に生まれる場所で、人が集まって働く理由のある空間だと感じました。
「私にとってのオフィスはテレビドラマの中のイメージ、実際に見て印象が変わった」(山本さん)
「私にとってのオフィスはテレビドラマの中のイメージ、実際に見て印象が変わった」(山本さん)
――イスから空間へ視点が広がったのですね。ワークショップではイスを選ぶ以外にも、さまざまなオフィスの写真から「自分が働きやすそうな空間」を選ぶワークがあったそうですが、みなさんはどんな空間を選びましたか。

馬杉:私が選んだのは、細長い机を囲んで働き、ガラス張りの会議室があるオフィスです。どこにいても人と視線が交わせて、すぐコミュニケーションが取れる。みんなが同じ目標に向かっている実感を持てる環境が、自分にとっての理想なんだと気づきました。

山本:私はバランスボールやホワイトボードがある、家のような空間を選択しました。型にとらわれず柔軟に頭を動かして、人との会話から面白いアイデアが生まれそうなイメージがあったので。人間にしかできないことを体現できる場に惹かれます。

木島:僕はあまり型にはまった働き方をしたくないので、机が卓球台になっていたり、カフェスペースが併設されていたり、遊びも息抜きもできる自由度のあるオフィスを選びました。

――それだけ具体的に理由が出てくるということは、やはり空間が働き方に影響を与えると感じていますか。
空間が働き方に及ぼす影響について、ワークショップを通じて実感したと3人は話す
空間が働き方に及ぼす影響について、ワークショップを通じて実感したと3人は話す
木島:影響は大きいと思います。遊びの余白もある空間には、仕事そのものを楽しんでいる人が集まるのではないかと想像しています。空間が人を集めるのか、人が空間を選ぶのかはわかりませんが、空間と働き方は切り離せないと思います。

山本:新しいことを生み出すならオープンな空間で人と対話するのがよさそうですし、じっくり考えを深めたい場面では囲われた空間のほうが集中できそうです。場面に応じて場所を自分で選べることで、生み出せるものも変わってくるのではないかなと思います。

馬杉:そうだと思います。空間のコンセプトが働く人の感情や心理に作用するのだとしたら、その積み重ねは組織のあり方や人と人の関係性にまで波及していく気がします。

 
ワーク&ライフクリエイション事業本部 営業本部 首都圏営業本部 ライフスタイル営業部長 神﨑 仁利
ワーク&ライフクリエイション事業本部 営業本部 首都圏営業本部 ライフスタイル営業部長 神﨑 仁利

オカムラ担当者が語る
学生の発想からの気づき

今回のワークショップでは、「えっ、この製品でそんな捉え方ができるんだ」と、学生の発想の豊かさに驚かされる場面が何度もありました。さまざまなイスへの表現は1冊の冊子にまとめており、実物をチェアサロン「Chair isn’t」で手に取ってご覧になれます(2026年9月より設置予定)。

学生が「自分らしいイス」を選ぶ姿を見て、空間や製品が一人ひとりに寄り添えるかどうかが大切だと思いました。学生は社会人以上に多様な価値観を持っていました。空間も製品も、選ぶものがみんな違ってみんなイイ。これからのオカムラに強く求められる価値観だと感じています。

今回の取り組みをきっかけに、「オカムラ」というブランドは社会人になってから知るものだという認識を、学生でも知っている「オカムラ」に変えていきたいですね。若い世代の柔軟で面白い発想に学びながら、社内の固定観念も覆していく。若い世代とはそんな関わり方をこれからも続けていきたいです。

 

イスから考えた「働くとは何か?」

――オカムラの従業員と接する中で思ったことはありますか。
 
「将来は自分もオフィスに誇りを持って働きたいと思った」(山本さん)
「将来は自分もオフィスに誇りを持って働きたいと思った」(山本さん)
山本:たくさん質問させていただいたのですが、みなさん楽しそうに笑顔で答えてくださって、自分が働くオフィスに誇りを持っているのだと伝わってきました。

馬杉:従業員のみなさん同士の雰囲気がとても良くて、自分の仕事を楽しんでいるからこそ周りにも自然と気を配れるんだろうなと感じました。

木島:イスのデザイナーの方に、自分の理想と会社から求められるものにギャップがあったとき、どう折り合いをつけているのかを聞いてみたら、「オカムラの規模でやるからこそ、自分のデザインを多くの人に届けられる」と返ってきたんです。大きな会社だと自分が一番やりたいことはできないかもしれないと思っていたのですが、大きいからこそのやりがいがあるという視点は新鮮でした。

――「働く場」や「体験」まで考えている企業と知り、オカムラの印象は変わりましたか。
「従業員の方々と接してオカムラは親しみやすい会社だと感じた」(馬杉さん)
「従業員の方々と接してオカムラは親しみやすい会社だと感じた」(馬杉さん)
山本:正直、オフィス家具メーカーというイメージしかなかったのですが、印象がかなり変わりました。

馬杉:私もです。働いている方もかっちりした雰囲気なのかなと想像していたのですが、実際にお会いしてみると、むしろしなやかな方が多い印象でした。

山本:空間のデザインからイスなど製品の細部に至るまで、使う人がどんな体験をするかを想像して考え抜いていて、人にすごく寄り添った、温かい会社だと感じました。
製品の背景にある物語に共感して選ぶという行為に、アートの世界に通じるものを感じた」(木島さん)
製品の背景にある物語に共感して選ぶという行為に、アートの世界に通じるものを感じた」(木島さん)
木島:一つひとつの製品が丁寧に作られていて、それぞれにストーリーがあるのだと知りました。従業員の方から、機能性だけでなく製品が生まれた経緯や想いに共感してもらった上で手にとってほしいという話を聞いて、アート作品に近い感覚だなと思いました。

――最後に、今回のワークショップの感想をお聞かせください。

山本:実は社会人になって働くことにはどこかネガティブなイメージがあったのですが(笑)自分らしさを見出しながら価値を生み出せると知って、大きくイメージが変わりました。日常の中で幸せを感じる瞬間があると「これを実現できる働き方って何だろう」と考えるようになりました。働くことへの意識が自然と変わったと感じています。

馬杉:これまで「仕事についたら、自分の置かれた立場で与えられた役割を全力でやればいい」と考えてきたのですが、今回のワークショップでそのための環境も大事だと実感しました。どこに身を置くかにこだわりたいし、自分自身がいい環境をつくれる人でもありたいと思います。今すぐできることとしては、大学のグループワークでもイスの配置やミーティングの始め方といった工夫を取り入れていきたいですね。

木島:これまでは「どんな仕事をするか」で自分らしさを出すものだと考えていましたが、「どんな環境で働くか」も自分らしさの一つだと気づきました。働く環境や姿勢にも目を向けるという視点を、大学生活残りの1年で大事にしていきたいと思います。
 

取材後記
それぞれの視点と学生らしい感性でイスを通じた自己理解に取り組み、働く場所がはたらき方に与える影響まで深く考えていたのが印象的でした。スペックや価格で選ばれがちなイスを、「自分らしさ」を起点に選ぶという試みは、キャリア教育としても、イスの新しい価値の伝え方としても、さまざまな可能性を広げていくものではないかと感じました。(編集部)

OKAMURA 新卒採用情報

TAGS