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エヌエスオカムラと釜石シーウェイブス 仕事と競技、二刀流の成長

2025.11.21
オカムラで働く人に、仕事へのスタンスやエピソードを聞く「My Okamura Way」。オカムラが目指すのは、「人が活きる」社会の実現です。そこに向けてオカムラのメンバーが何を実践しているのか、担当する業務、働き方について思うこと、仕事以外の生活などについて聞きます。

My Okamura Way Vol.20

オカムラの生産拠点の一つ、岩手県釜石市にあるエヌエスオカムラ(以下、NSO)で、生産管理課の計画担当として働く東海林 拓実(とうかいりん・たくみ)。2022年に入社し、3年間の購買担当を経て、2025年4月から生産管理課 計画担当へ異動しました。また、ジャパンラグビー リーグワンDIVISION 2の日本製鉄釜石シーウェイブスで選手としても活躍しています。従業員としてもアスリートとしても妥協せずに進む東海林に、仕事と競技の両立について聞きました。

2025年9月取材


入社4年目の異動で広がった視野

――2022年にNSOに入社して、今年が4年目だそうですね。

東海林 拓実(以下、東海林):はい、入社してから3年間は購買担当で、主に物品棚や書架といったラック製品などの部材の発注を担当していました。今年4月から生産管理課の計画部門に異動になり、生産計画の作成と調整をしています。物件ごとの納期情報をもとにQCD(品質・コスト・納期)を守って効率よく生産できるよう計画を立てるのが仕事です。早ければ3日後、先のものなら3カ月後の生産を計画することもあります。
株式会社エヌエスオカムラ 管理部 生産管理課 計画担当 東海林 拓実
株式会社エヌエスオカムラ 管理部 生産管理課 計画担当 東海林 拓実

株式会社エヌエスオカムラとは

岩手県釜石市にあるオカムラグループの生産拠点です。1991年設立、1992年に操業を開始し、主に物品棚や書架などを生産しています。
2011年の東日本大震災では津波により壊滅的な被害を受け、操業停止となりましたが、従業員が一丸となって復興に取り組み、翌2012年には日本製鉄の敷地内に新工場を建設し、操業を再開しました。
震災後は設備整備にコストがかさみ、コストダウンの必要性と省エネ法への対応から、CO2排出量削減やエネルギー使用量の削減をこれまで以上に推進。その成果が認められ、2016年度には「省エネ大賞」省エネ事例部門経済産業大臣賞を受賞するなど、鉄の町・釜石の歴史と共に歩みながら持続可能な生産活動を続けています。


――異動して、仕事内容はかなり変わりましたか?

東海林:そうですね。購買担当は取引先との関係構築や交渉、計画担当は生産工程全体の調整と、それぞれ異なる役割を担っています。計画担当になってからは、営業担当や現場の工作課など社内のほとんどの部門と関わるようになり、より調整力が求められるようになりました。私以外に4人のメンバーがいますが、みなさん社歴が長いベテラン揃いです。

――今の仕事のやりがいはどんなところに感じていますか?

東海林:製品の生産が計画通りに進んだ時や大口物件が無事に終わった時の達成感は大きいですね。さまざまな事情で、生産が計画通りに進まないことはあります。そういう時は、全体の納期を俯瞰して調整するなど、臨機応変に対応します。
難しい調整は現場へ行って状況を見ながら、担当者と直接コミュニケーションをとることもあります。ただ、上司からは「毎回自分が足を運ぶだけでなく、現場と連携しやすい仕組みをつくることも大切」だとアドバイスをもらっているので、効率的な情報共有や調整の方法も模索中です。
 
「外注先の不具合が発生した場合は、一緒に再発防止の仕組みを考えることも」(東海林)
「外注先の不具合が発生した場合は、一緒に再発防止の仕組みを考えることも」(東海林)
――今、オカムラグループ全体で品質の向上、その一環で在庫回転率の改善に取り組んでいます。計画業務の重要性も高まっているのではないでしょうか?

東海林:はい。他の部門や生産拠点と同様、NSOでも在庫をコントロールして効率的に運営するため、主力品の在庫や受注生産品の管理がとても重要になっています。また、これまで以上に製品自体の品質向上にも力を入れています。

――購買担当と計画担当、それぞれの仕事の魅力をどう感じていますか?

東海林:購買担当では年間のコストダウン目標が明確な数値で決まっていたので、その達成に取り組むことが魅力でした。計画担当は会社全体の流れを見られるのが面白いところです。どの部品が入ってきて何がつくられ、どう出荷されるのかという全過程を見られるので視野が広がりました。

――これまでに仕事で印象に残っているエピソードはありますか?

東海林:計画担当に異動したての頃、すぐ伝えるべきことを伝えるのが遅れて、社内に混乱を招いてしまったことがあります。生産の現場では最終的な納期以上に、その日のいつどの作業をするかという工程が大事です。優先順位を正しく把握して伝える重要性を痛感しました。
失敗だけでなく、大口物件を担当してからでは自分の成長も実感しました。物流倉庫向けに、特殊鋼材を使用するラックを納める物件を引き継ぎ、別の拠点に出向中だった前任者に教わりながら進めました。まったくやり方がわからないところからのスタートだったので、納期通り完遂できた時は達成感がありましたね。
 

ラグビーのスクラムハーフは仕事にも通じるポジション

――東海林さんは釜石シーウェイブスの選手としてもプレーしています。ラグビーを始めたきっかけは?

東海林:中学では陸上部で、駅伝チームにも入っていました。その駅伝のコーチがラグビー部の監督も兼任していて、「練習に来てみない?」と誘われたんです。参加してみたら楽しくて、そのままラグビー部に入りました。
ポジションは高校からずっとスクラムハーフ(※1)一筋。相手の状況や周囲とのコミュニケーションから即座に状況判断して、周りをコントロールする司令塔のようなポジションです。求められる動きは、NSOでの計画の仕事にも通じる気がします。

※1:バックスのポジションで背番号は9。フォワードからバックスにボールを供給する
 
釜石シーウェイブスのホームグラウンド釜石市球技場(松倉グラウンド)にて
釜石シーウェイブスのホームグラウンド釜石市球技場(松倉グラウンド)にて
――確かに、状況判断が重要というのは共通していますね。

東海林:そうなんです。計画担当になってから、特にそう感じています。仕事でできないことはラグビーでもできないし、ラグビーでできないことは仕事でもできないと思っています。もちろんどちらにも失敗はありますが、それも相互に活かせています。

――ラグビーの面白さはどんなところに感じていますか?

東海林:いろんな人が集まっているところですね。大柄な人や小柄な人、足が速い人、力の強い人。それぞれの個性を活かせる役割があって、それを活かしながらチームとして機能するところです。

――日本製鉄釜石シーウェイブスは、「北の鉄人」と呼ばれた名門・新日鉄釜石ラグビー部がルーツです。このチームでプレーすることをどう感じていますか?

東海林:新日鉄釜石ラグビー部の日本選手権7連覇という歴史は本当に素晴らしいのですが、今は我々の新たな歴史をつくっていくことをチーム全体で意識しています。今年から新たな規律を策定したのもその一環です。「リスペクト」「レジリエンス」「アカウンタビリティー」の3つで、リスペクトは過去のチームやファンの方などへの敬意。レジリエンスは本来回復力という意味ですが、今年こそ這い上がろうという上昇の意味を込めています。アカウンタビリティーは責任を表し、試合でも仕事でも自分の行動に責任を持つことを大事にしています。
チームは、5年計画でDIVISION 1への昇格を目指しています。私は2022年のリーグワン開幕と同時に釜石シーウェイブスに加わったこともあり、リーグワンと共に成長していきたいという思いは強いですね。

――明確な目標を持って進んでいるのですね。ところで、釜石での生活はいかがですか?

東海林:大学時代は東京で生活していたので、来たばかりの頃は都会とのギャップが大きかったですが、今はすっかり釜石を気に入っています。海も山も川もあって、疲れた時に自然を感じられるのがいいですね。ご飯も本当に美味しくて、特に6月から8月の生ウニは最高です。朝獲れたものがスーパーに並ぶんです。休日はチームメイトと大船渡や仙台などへ足を延ばしてカフェ巡りをしたり、トラッド系の古着を探しに盛岡まで行ったりして楽しんでいます。
 

釜石鵜住居復興スタジアム

釜石鵜住居復興スタジアムは、2019年に開催されたラグビーワールドカップのために整備されたスタジアム会場です。釜石シーウェイブスにとっても、釜石市球技場と並ぶ、もう一つのホームグラウンドです。
この場所には、かつて市立釜石東中学校と市立鵜住居小学校があり、2011 年の東日本大震災の際、児童・生徒たちが手に手をとって逃げて助かったことは広く報道されました。この小中学校跡地に建設された釜石鵜住居復興スタジアムは、釜石市の防災の考え方を広く発信し、震災の記憶と防災の知恵を伝える場所でもあります。


                                 

 

目標を明確にして、仕事もラグビーも着実に前進

――仕事とラグビーはどうやって両立していますか?

東海林:8月から翌年5月がラグビーのオンシーズンで、その期間のスケジュールは朝6時半からトレーニング、8時に出社して12時に退社、午後は18時まで練習です。会社には勤務時間を調整してもらい、担当業務のメイン担当を部門のみなさんが担ってくれています。ラグビーもチームメンバーに仕事との兼ね合いを理解してもらい、それぞれの協力があってこそ両立できています。
1~2年目は「仕事との両立は大変」とか「練習時間が少ない」など愚痴をこぼしてしまうこともありましたが、2年目の終わりに当時のチームの先輩から目標設定の仕方や日々の生活の仕方を教えてもらったことが転機になりました。先輩は大学院でスポーツ心理学とウェルビーイングを学んでいて、5カ月間、週に1回勉強会をやってもらったんです。
昨年、腰のヘルニアで手術も経験。「リハビリも成長のためと思って取り組んだ」(東海林)
昨年、腰のヘルニアで手術も経験。「リハビリも成長のためと思って取り組んだ」(東海林)
――メンター的な存在だったのですね。その勉強会でどんなふうに変わったんですか?

東海林:競技でも仕事でも自分に本当にやるべきことが何かを考えて、選べるようになりました。小さなことだと「この飲み会に行くべきかどうか」も、ちゃんと考えて決めるようになりましたね(笑)。
「心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる(※2)」という言葉がありますが、意識して行動すれば習慣が変わっていくのを実感しています。以前より活き活きと働き、プレーできる自分を保てるようになりました。

※2:アメリカの哲学者・心理学者であるウィリアム・ジェームズの言葉

――本当に必要なものを選ぶ習慣が身についたんですね。

東海林:はい、立ち返る場所ができた感覚です。目標設定も見直して、ラグビーでは漠然とした「プロになりたい」から、「公式戦に今季10試合出場する」という具体的な目標にしました。それから仲間に信頼される選手になりたいですね。仕事では、計画担当視点でのコストダウンが目標です。外注していた工程を内製化できないか検討するなど、原価低減に取り組んでいきたいです。
私にとっては仕事もラグビーも成長の場。常に成長できる環境に身を置くことも、大事にしている軸の一つです。
 
――ラグビーと仕事の両立は大変だと思いますが、今後の活躍も楽しみにしています。    

東海林:ありがとうございます。オカムラグループには、周りの人たちが応援してくれる環境があり、私自身だけでなく誰もが自分らしく働ける場所だと感じています。以前、同期が試合を見に来てくれたのはすごく嬉しかったですね。実際に観戦するとコンタクト時の衝突音など、映像では伝わらない迫力を感じてもらえると思います。2025年12月に公式戦が開幕するので、ぜひ多くの人に自分のプレーする姿を見に来てほしいですね。ぜひ、釜石シーウェイブスのSNSもチェックしてください。応援よろしくお願いします!

インタビュー後記

「仕事でできないことはラグビーでもできない」という言葉の通り、従業員とアスリート、2つの顔を持つからこそ得られる気づきがあり、相互に成長の糧にするという好循環が生まれているようでした。ちなみに2024-25シーズンはチームのSNSの動画制作も担当し、そのスキルを活かして先輩の結婚式のムービーも作ったとのこと。仕事もプライベートも全力で楽しみ、前身し続ける姿勢は、まさにオカムラが大切にする「人が活きる」を体現していると思いました。(編集部)


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