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“物流のオーケストラ”から社会課題を解決し、もっと人を活かす社会へ

2025.10.31
オカムラで働く人に、仕事へのスタンスやエピソードを聞く「My Okamura Way」。オカムラが目指すのは、「人が活きる」社会の実現です。そこに向けてオカムラのメンバーが何を実践しているのか、担当する業務、働き方について思うこと、仕事以外の生活などについて聞きます。

My Okamura Way Vol.19

物流システム事業本部 エンジニアリング部 ソフトウェア開発室に所属する橋本 大輝(はしもと・だいき)。Work in Lifeについて真剣に考え、2020年にオカムラへ入社。システムエンジニアとして顧客の課題解決に取り組み、2025年5月には、開発プロジェクトリーダーとして携わった倉庫最適化システム「Optify(オプティファイ)」をリリースしました。そんな橋本のこれまでとこれから、人生観などについて幅広く聞きました。
 

2025年9月取材


※ 「Life(人生)にはさまざまな要素があり、その中の一つとしてWork(仕事)がある」というオカムラが提唱する考え方です。「Work in Life」の実現とは、一人ひとりが人生を総合的に捉え、「働く」ことが人生のプラスになるように、主体的に行動できている状態を指します。


ライフプラン実現のためには、新たなチャレンジが必要だった

――はじめに、オカムラに入社してからの経歴について、簡単に教えてください。

橋本 大輝(以下、橋本):2020年に社会人3年目として総合職でキャリア入社しました。物流システム事業本部エンジニアリング部で、自動倉庫の制御設計を3年担当。その後、育児休業を経て、2024年からは現在のソフトウェア開発室に勤務しています。

――オカムラに入社する前は、どんなお仕事でしたか?

橋本:前職は化学メーカーに勤め、その工場の製造過程の自動化を担当していました。学生時代には工学の中でも電気に関する制御分野を学んでいたので、「モノを動かす」というテーマで現在にもつながっています。以前の会社で地方の拠点に出向していた時に、コロナ禍がありました。今後のライフプランとして結婚や子育てなど家族のことを考えると、新たなチャレンジが必要だという想いが強まり、オカムラに転職したんです。その1年後くらいに結婚して、やがて子どもも誕生しました。今は、かつて自分が思い描いていた仕事と家庭が実現できていると感じています。

物流システム事業本部 エンジニアリング部 ソフトウェア開発室 橋本 大輝
物流システム事業本部 エンジニアリング部 ソフトウェア開発室 橋本 大輝
――まさにWork in Lifeということに、しっかりと向き合われてきたのですね。オカムラでは、育児休業を取得されましたね。

橋本:せっかく育児休業が推進されている会社ですし、何よりも子どもの小さい頃の貴重な時間を、妻と一緒に大切にし、一緒に挑戦して行きたいという想いはありました。お風呂もおむつ替えもミルクも自分でもやりたかったし、できるようになれた。そういう私の姿を見て、妻と妻の両親も「オカムラって、いい会社なんだ」と思ってもらえたことも含めて良かったと思います。それにオカムラはフレックスタイム制ですから、子どもの送り迎えにも助かります。働き方が柔軟にできる制度が整っているのは良い点だと思います。

――育児休業の期間を半年にしたことについては、何かお考えがありましたか。

橋本:私の所属している部門では、それまでは長くて3〜4か月という人が最長だったので、私に続く後輩がもっと長く取得できるようにという想いも込めて、上司と相談して半年という期間に決めました。チャレンジングであるかもしれませんが、仕事ってそういうバトンのつながりなのかなと思っています。

――そうした制度やライフサポート以外で、オカムラの良いと感じるところはありますか。

橋本:企業風土として、チャレンジさせてもらえる場だと感じています。個人がやりたいことを汲んでもらえるところもありますし、日々の小さな積み重ねが働きやすさにつながっていると感じます。また、オカムラは人財開発もしっかりしていますから、そうした企業の取り組みが今の自分にもつながっているのではないでしょうか。

――それでは、現在所属されているソフトウェア開発室について、どういった部門なのかお聞かせください。

橋本:お客様のニーズに合わせて、物流システムを構成するソフトウェアを設計・開発し、提供する部門です。お客様の思い描く倉庫運用をソフトウェア側から実現するため、物流の幅広い知識・経験やお客様との調整力が求められます。20~30代が7割を占める若い部門ですが、経験のある従業員とペアを組む形も多いので、お互いの良さを組み合わせながら仕事が進められています。成長の早い環境だと思いますし、さまざまな部門と横断的に関わることが多いのが特徴です。
また、仕事の内容としてはエンジニアリングなのですが、物流倉庫という全体をどう経営していくかという視点が重要になります。ですから、設計や営業など複数の部門やお客様との打ち合わせも多いです。幅の広さが求められる仕事だと思います。

――現在のお仕事としては、どんなことをされていますか?

橋本:私が育休から復帰したタイミングで、上司から「オカムラとしてのWMSパッケージの開発を進めてほしい」と言われました。WMSというのはWarehouse Management Systemの頭文字で、倉庫管理システムのことです。そのためのプロジェクトを2024年の秋に立ち上げて、今年の5月に倉庫最適化システム「Optify」としてリリースしました。ですから、かなりの短期プロジェクトでしたね。構想とインテグレーションを行って、プロジェクトチームの皆さんと共にユーザーメリットのある製品へと進化させていきました。
「Optifyに最初から携わることができたのは幸運でもありました」(橋本)
「Optifyに最初から携わることができたのは幸運でもありました」(橋本)

お客様の経営をサポートする倉庫最適化システム「Optify」

――それでは、オカムラの倉庫最適化システム「Optify」のアピールポイントは、どんなところでしょうか。

橋本:Optifyの良さは大きく言うと3つあると思っています。1つ目は、オカムラが強みにしているロータリーラック、オートストア、コンベアといったマテリアルハンドリングとの連携がスムーズだということです。これまではマテハンだけを買っていただいて、WMSという倉庫管理システムは別会社のものというケースが多かった。それが、全体がオカムラになりますから窓口が統一されます。これによってトータルのコストを下げ、納期も短縮できます。

倉庫最適化システム「Optify」のシステムイメージ
倉庫最適化システム「Optify」のシステムイメージ
2つ目は、Optifyの中にBIと呼ばれるビジネスインテリジェンスツールの機能がパッケージ化されていること。ですからお客様の経営のお手伝い、具体的には見える化や最適化といったビジネスサポートを、AIの要素も含めて実現できるのです。そして3つ目は、これらがすべて一つになっているということ。マテハンも、WMSも、BIもある。複数のシステムをワンストップで提供できることがメリットです。
物流倉庫を支える複数のシステムを一本化
物流倉庫を支える複数のシステムを一本化
――Optifyなら、お客様の経営サポートまで行えるということですね。

橋本:例えば、ECサイトからの注文がどれくらいあって、どれくらいの人員を配置すれば良いかというのは、予測しづらいわけです。そこで、センター長が経験的に判断したり、去年と今年のエクセルデータを見比べて判断したりします。ところがセンター長が異動することになると、後任の若い人がセンター長と同じ経験と判断を求められます。それは辛いことですよね。ですが、OptifyのBIに今までのデータを送っておけば「今日の何時頃に終わるね」とか、パートで働く人に「今日少しだけ残業があるかも」ということを事前に伝えられたりします。シフトも組みやすくなり、働く人の満足度も高められます。

――とても分かりやすい解説ですね。Optifyがぐっと身近に感じられてきました。

橋本:私の後輩が新入社員への説明で分かりやすく表現していたので、その話を借りてもう一つ違う視点でお話しします。物流の仕事をオーケストラとして見立てた時に、楽器が装置に相当します。これをどう動かすかの脳に相当する部分がパソコンであり、オーケストラだと演奏者になるでしょう。そしてOptifyという倉庫最適化システムが、指揮者に相当します。ですからオーケストラ全体で、どんな曲を演奏したいか、どういう目的を果たしたいのかまでを考えることが仕事になっていると思います。

――これもまた分かりやすいです! そんなOptifyの開発プロジェクトリーダーとして大切にしてきたのは、どんなことですか。

橋本:目的意識ですね。プロジェクトで何を達成したいのかがブレないようにすること。これは上司の姿からも学んだことです。また、スケジュールが決まっていた短期プロジェクトでしたから、そこに合わせられるように逆算して調整を行っていきました。
「何を達成したいのかが大切。それを気づかせてくれた上司の存在は大きいです」(橋本)
「何を達成したいのかが大切。それを気づかせてくれた上司の存在は大きいです」(橋本)
――今後、Optifyを広めていくに当たって重要なのはどんなことでしょうか。

橋本:お客様がどんな物流センターや倉庫を実現したいかという要件を、お互いの認識のズレがないように、いかに最初にしっかりと決めるかが重要だと思っています。全体を俯瞰し、スケジュールに合わせて優先順位を付けて一つずつ確認しながら、お客様とコミュニケーションを取っていくこと。また、そうしたことが属人的にならないように気をつける視点も必要です。「私がやった場合のこと」ではなく、会社として持続的に展開できるようにすべきだと思います。そのためにはコミュニケーションや段取りを資料化すること、「成果物」として残すことが大事です。ソフトウェアは形のないものですから、誰が見ても同じように捉えることのできる仕様書などを作成することで、「担当者一人にしかわからない」という状態を避けたいと思っています。

――明確なビジョンを持って仕事をされていますね。それにしても、Optifyのコンセプトを具体化して、ネーミングなどに展開したことも良い経験になったのではないでしょうか。

橋本:Optifyは、「Optimize 最適化」と「Unify 統合する」を組み合わせた造語ですが、システムの特徴を表した良いネーミングになったと思います。また、Optifyをどう説明してお客様にお勧めするか、営業担当者への教育も大切になってきます。説明会を開いたりして社内周知を広げていく活動にも、開発のリーダーとして力を入れてきました。
「ネーミングはプロモーション部の人たちにも一緒に考えてもらいました」と感謝を語る橋本
「ネーミングはプロモーション部の人たちにも一緒に考えてもらいました」と感謝を語る橋本

 

「経営企画」の視点を持つと、お客様との話し方も変わる

――そんな橋本さんの仕事観に影響を与えた出来事、エピソードなどあれば教えていただけますか?

橋本:2023年に、初めて主担当としてWMSをお客様に導入していただきました。その時は、プロジェクトがスタートしてから半年という短い期間で物流センターを稼働。時間が限られた中で、どこが肝の部分で、どう進めればプロジェクトが上手く回るかを真剣に考えました。1年かけるようなプロジェクトを半年で達成したことは、その後のプロジェクト管理の考え方や仕事の取り組み方にも大きく影響しました。苦しさもありましたが、自分の礎になった大きな経験だったと思います。
 
娘さんもお父さんの演奏に聞きほれている模様!?
娘さんもお父さんの演奏に聞きほれている模様!?

街のオーケストラでは「運営」の信頼が「演奏」の信頼にもつながる

「音楽が好きで、オーケストラでフルートを10年以上演奏しています。昨年は演奏会でプーランクの木管六重奏を演奏しました。妻もオーボエ奏者ですし、音楽を一緒に楽しんでいます」と語る橋本。そうした趣味が仕事に良い影響を与えている部分があるのかを聞いてみました。
「アマチュアで演奏活動をしているので、演奏会を企画する時も自分たちの力で準備をします。お互いに係を決めたり、段取りによって連携を深めるなど、そこでの信頼関係が演奏での信頼関係にもつながっているように感じます。そうした運営と演奏の二足のわらじのようなことは、仕事の上でも活きているかもしれませんね」(橋本)
「つながり」という言葉がよく出てくる橋本は、人と人とのつながりを常にさまざまな方向から見つめているようです。

――橋本さんは、どのようなときに働きがいを感じますか?

橋本:自分が提案したり仕様を設計したものが現地に導入されて実際に稼働し、お客様の課題解決につながる。そうした一連の流れがつながった時は、やりがいがあったと感じますね。そうした中でも、お客様に満足していただけることは第一だと思います。

――今後の希望、やってみたいことについて教えてください。

橋本:複数の自動化設備とともにOptifyを導入して、人とモノの流れがすべてデータ化され可視化・最適化できるような最先端の物流拠点をお客様に提供できたらと思っています。
ただし、今私が取り組んでいるシステムというものは、企業活動の根幹にはなりますが、一つの手段にしかすぎません。それによって、どんな企業活動をしていきたいかという「経営企画」の視点を持っていると、お客様との話し方も変わってくると思うんです。システムとして作ったものが一人よがりにならないようにするためにも、そうした知見が必要になるでしょう。ですから個人的には、経営企画的な視点をもっと学んでいきたいと思っています。仕事を通して私の上司の背中を見ていると、特にそう感じます。
「エンジニアリングの視点以外のものを持つと、きっとお客様が本当にほしいものにつながってきます」(橋本)
「エンジニアリングの視点以外のものを持つと、きっとお客様が本当にほしいものにつながってきます」(橋本)

 

物流のさまざまな場面で働く人たちがホッとする明日のために

――昨今よく言われている「物流クライシス」を解決することは、オカムラが掲げる社会課題の解決に資することですよね。そのように、日本の社会全体に貢献できる仕事に直接携わっていることは、どうお感じですか。

橋本:物流の中では、ドライバーの深刻な人手不足が喫緊の課題だと言われています。倉庫のことは一見あまり関係なさそうに見えますが、ドライバーが5時に来る時は、5時にちゃんと準備ができていなければならない。待たせてしまっては、大きなロスになります。ですから、倉庫運営がスムーズに行くことはドライバーの負担を減らし、物流問題の解決につながっていきます。世の中の課題解決に直接寄与できるものを提供できる仕事だと思っています。

 「人と話すことが楽しい」と語る橋本。「その話の一つひとつが私のやりがいにもつながっていますね」
 「人と話すことが楽しい」と語る橋本。「その話の一つひとつが私のやりがいにもつながっていますね」

――「人が活きる」そしてまさに「人を活かす」仕事になりますよね。

橋本:そうですね。物流現場では、単純作業を自動化したり、属人化した業務の標準化・システム化を推進することで、誰もが均一かつ効率的に業務を遂行することができます。そして、人がもっと高付加価値な活動に専念できる環境になればいいと思います。ドライバーの残業が少しでも減り、倉庫で働く方は判断をAIに任せて「今日は1時間早く帰れるな」とホッとする。そんな積み重ねがオカムラのパーパスである「人が活きる社会の実現」につながるのではないでしょうか。


インタビュー後記

橋本の話は、まるでオーケストラの演奏を聴いているかのように、リズムがあり、メリハリがあり、心地よいものでした。そして最初から最後まで、全体としての話が一貫している調和の響きの中に、人に対する優しさや敬意が丁寧に織り込まれていました。それぞれの楽器や演奏者同士の「つながり」を大切にしている橋本の声は、期せずして、倉庫をオーケストレーションするOptifyとも重なって聴こえてきました。橋本のWorkは、橋本のLifeでした。きっと読んでくださった方の心にも、ほっこりとした新たなSmileが宿ることと思います。(編集部)


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