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出産7カ月後に育休!計画力で築いた職場と顧客の信頼

2025.09.25
育児休職のリアル、働き方の工夫、家族との日々、職場との関係―― 子育て世代の「今」と向き合う「子育て世代が活きるリアル」では、コーポレートコミュニケーション部の古賀 小谷佳サステナビリティ推進部の七野 一輝が、子育てと仕事に奮闘するオカムラメンバーの声を紹介します。社内サポート制度の紹介も交えつつ、育児とキャリアを両立するための工夫から、「自分らしく活きられる」選択肢を広げるヒントまで、オカムラの子育て世代の「リアル」をお届けします。

子育て世代が活きる「育児休職のリアル」 Vol.3

オフィス環境事業本部 首都圏金融法人支店の松居 創(まつい・はじめ)。2007年に新卒で入社し、首都圏エリアを中心に金融機関の営業を担当。大手銀行の本部や店舗の移転・改装・増床に携わるほか、金庫室や全自動貸金庫設備といった高いセキュリティ性を求められる施設の営業活動にも取り組んできました。2024年5月、第2子の誕生を機に、初めての育児休職を2カ月間取得。出産から7カ月後というタイミングでの取得に向け、3カ月かけて計画的に引き継ぎを行い、チーム全体で準備を進めました。家族と過ごす時間の大切さを実感しつつ、職場とも綿密にコミュニケーションを重ねたことで、家族とチーム双方との信頼が深まったといいます。
初めての育児休職で得た学び、そして家族とチームの絆をつないだ引き継ぎの工夫などについて、松居に話を聞きました。
2025年8月取材
 

松居の育児休職タイムライン

2023年2月妻の第2子妊娠がわかる
 6月上司や支店メンバーへ相談
 10月第2子誕生
 12月育児休職申請
2024年5月育児休職(2カ月間)
 7月復職

新しい一歩をチームで――万全の引き継ぎで実現した支店初の男性育休

――はじめに、育児休職(以下、育休)を取得された経緯を教えてください。

松居 創(以下、松居):第1子の誕生時は、まだ男性育休の風潮もそれほど浸透しておらず、育休について深く考えることはありませんでした。そのため、その時は取得を見送りました。しかし、第2子の妊娠をきっかけに、「家族との時間を大切にしたい」「育児にもっと積極的に関わりたい」という思いが自然と強くなっていきました。さらに、社内外で男性が育休を取るケースが増えてきたことも後押しとなり、夫婦で話し合った結果、今回は育休を取ることに決めました。この3年の間に、社会における男性育休の意義やそのあり方が、大きく変わってきたと感じています。
 
オフィス環境事業本部 首都圏金融法人支店 松居 創
オフィス環境事業本部 首都圏金融法人支店 松居 創
――育休取得のタイミングはどのように考えられたのでしょうか?

松居:出産直後はちょうど業務の繁忙期と重なっていたため、すぐに休みに入るのは難しい状況でした。そこで、業務が一段落するタイミングと、第1子のときの経験を踏まえ、離乳食が1日3回になり、動きが活発になる時期を見計らって、出産から7カ月後の2024年5月から2カ月間、育休を取ることにしました。
育休のタイミングや期間は、ライフスタイルや子どもの成長スピードによって異なるため、家族でしっかり話し合うことが大切だと思います。
「職場全体で取り組んだ引き継ぎが、スムーズな育休取得につながった」(松居)
「職場全体で取り組んだ引き継ぎが、スムーズな育休取得につながった」(松居)
――育休取得の決断にあたって、不安や懸念はありましたか?

松居:日常的に複数の案件を担当していたので、自分が抜けることでお客様や後任の担当者に負担がかからないかが一番の懸念でした。また、支店としてはこれまで男性が育休を取得した経験がなかったので手探り状態でしたが、「しっかり準備すれば大丈夫」と信じて、前向きに育休取得を決めました。
――職場での引き継ぎや準備はいかがでしたか?

松居:妻が安定期に入った5月頃に上司へ相談しました。早めに伝えたことで、引き継ぎや準備に十分な時間を確保できたのは大きかったですね。育休の3カ月前からは課長と相談しながら、異動時にも使う「引き継ぎテンプレート」を活用して準備を進めました。物件情報や担当者、スケジュールを整理・共有したことで、サポートメンバーも状況を把握しやすく、引き継ぎはスムーズに進んだと思います。
お客様への対応についても、育休前からサポートメンバーと一緒に訪問し、打ち合わせに同席してもらいました。育休期間中の対応体制を事前に丁寧に共有することで、安心してもらえるように努めました。その結果、お客様にも好意的に受け止めていただき、男性育休への理解が少しずつ広がっていることを実感しています。
 

“家族と過ごす毎日”がくれた――小さな気づきと、大きな学び

――育休期間中は、どんな風に過ごしていましたか?

松居:朝は7時に起きて朝食の準備をし、息子を保育園に送ったあとは、洗濯や掃除、昼食の支度などの家事をしていました。午後は買い出しに出かけることも多く、夕方は夕食の準備からお迎え、お風呂、寝かしつけまでノンストップ。忙しい毎日でしたが、一日家族で過ごす時間は新鮮で、子ども中心の生活も楽しめました。日中に時間ができたときは、夫婦それぞれが自由な時間を取ることもできました。
また、妻が仕事に復帰したあとの家事や育児の分担について、夫婦でしっかりとすり合わせることができたのは、とても良かったです。
 
「子どもと向き合う時間が増え、成長をそばで感じられるのが嬉しかった」(松居) 
「子どもと向き合う時間が増え、成長をそばで感じられるのが嬉しかった」(松居)
 
――育休中、仕事との付き合い方はどうしていましたか?

松居:「育休中の就業申請」をしたうえで、必要に応じて午後にメールを確認したり、同僚と連絡を取ったりする日もありました。情報共有を心がけたことで、私自身も安心して過ごせましたし、職場メンバーからも「大きな混乱はなかった」と言ってもらえました。職場復帰を見据え、情報を途切れさせなかったことで、育休後の職場復帰がとてもスムーズだったと感じています。

――新しいライフスタイルになって、生活やご自身の心境にはどんな変化がありましたか。

松居:物事を多角的に見られるようになりました。以前はあまり意識していませんでしたが、育児を経験したことで、日常の中で子育てに奮闘している方々の大変さを実感するようになりました。今では、泣いている子どもを見かけると、その保護者の方の苦労に、自然と共感の気持ちがわいてきます。育休を通して、忙しい時には見過ごしがちな「家族との時間の大切さ」や、「他者への思いやり」に気づけたことは、大きな収穫だったと思います。
 
首都圏金融法人支店 営業一課 第一係堤 大城(つつみ・だいき)
首都圏金融法人支店 営業一課 第一係
堤 大城(つつみ・だいき)

支える側の想い――
サポートメンバーの声

松居さんの育休中に業務を支えたサポートメンバーの声をご紹介します。



「松居さんが支店で初めて育休を取得したことは、職場全体で“育休取得を前向きに考えるきっかけ”となりました。復職後には、その経験をもとに勉強会も開いてくれて、チームの理解が一層深まったと感じています。今回の経験を通じて、育休取得がより自然に受け入れられる職場づくりが進んでいると実感しています。
私は職場の自治会メンバーとして、ファミリーイベントの企画・運営も担当しているのですが、ファミリーイベントは家族が職場を知る良いきっかけとなり、家族同士のつながりも広がっているのを感じています。これからも、子育て世代を後押しできる職場づくりを続けていきたいです」

 

育休後に見つけた、家族と仕事を両立する新しいリズム

――2カ月の育休を経て、職場復帰はどのように進められましたか?

松居:復職直後は、まず周囲の業務をサポートしながら、徐々に自分の担当業務を引き継いでいきました。その過程で意識したのは、積極的にコミュニケーションを取ること。周囲との関係づくりを大切にしたことで、無理なくスムーズに業務復帰ができたと思います。
 
「積極的にコミュニケーションを重ねることで、安心して復職できた」(松居) 
「積極的にコミュニケーションを重ねることで、安心して復職できた」(松居)
 

――現在の働き方や家庭での役割分担についても教えてください。

松居:朝は私が家事や第1子の保育園の準備・送り出しを担当し、出社時間はフレックス制度を活用して調整しています。お迎えから寝かしつけまでは妻が担当しているため、私の働き方は育休前と大きく変わっていません。平日は仕事に集中し、土日は家族との時間を最優先に。オンとオフのメリハリをつけることが、仕事と家庭の両立につながっていると感じています。

――育休を経て、周囲とのつながりや交流に変化はありましたか?

松居:はい。首都圏金融法人支店が所在する東京・赤坂のインターシティAIRでは、年に一度ファミリーイベントが開催されます。家族で参加することで、他部門や他事業部の従業員とも交流でき、育児に関する相談ができる仲間も増えました。

――社内のつながりや交流が広がるのは心強いですね。これからの働き方やご家庭との両立について、どのように考えていますか?

松居: 育児では、夫婦で協力し合うことを大切にし、意見が異なるときもお互いの考えを尊重するよう心がけています。子どもの成長と共に悩みのフェーズが変わり、新しい課題も出てくると思いますが、これからも家族で力を合わせながら、仕事と育児を両立していきたいです。
さらに、10月には第3子の誕生を控えているので、再び育休を取得する予定です。家族の状況に合わせて柔軟に対応しながら、仕事と家庭のバランスを大切にしていきたいと考えています。
 

「家族と向き合う時間を大切にしながら、職場との信頼も育んだ育児休職」(松居)
「家族と向き合う時間を大切にしながら、職場との信頼も育んだ育児休職」(松居)

サステナビリティ推進部 七野の解説コラム
「計画的な育休取得のすすめ」――3カ月前からの準備で実現した安心のかたち

今回、松居の事例で印象的だったのは、出産後すぐではなく、仕事の繁忙期を終えたタイミングで育児休職を取得した点です。出産から少し時間を空けて育児休職を取るケースは、パートナーが里帰り出産をされている場合などにも見られますが、松居は業務状況や家庭の事情を踏まえ、「より育児に専念できる環境を整えてから休みに入る」という柔軟な判断をしていました。また、育児休職を開始する3カ月前から計画的に引き継ぎ準備を行い、業務の洗い出しを進めたことで、サポートメンバーが動きやすい体制を構築。結果として、お客様や職場への安心感にもつながりました。
当社における男性育児休職の平均取得期間(※)は92日と比較的長く、この背景には、松居のように事前準備を徹底し、周囲と協力体制を築く取り組みが大きく寄与しています。(DE&I推進室 七野 一輝)
※:令和6年度の男性正規従業員。平均育児休職日数=復職した労働者の合計育児休職取得日数÷育児休職取得者数


家族時間の過ごし方

育休中はもちろん、復職した今も家事や育児に取り組んでいる松居。家族との時間や、社内での交流のひとコマをご紹介します。
保育園送り出し
保育園送り出し

毎朝、子どもたちの保育園準備と送り出しを担当している松居。保育園から急な発熱などでお迎えの連絡があった時は、その都度相談しながら対応しているとのこと。

ファミリーイベント参加
ファミリーイベント参加

オフィスで年に一度開催される”ファミリーイベント”に家族で参加!「子どもをきっかけに交流の輪が広がっていることを、心強く感じています」(松居)

宮古島へ家族旅行
宮古島へ家族旅行

初めての家族旅行は宮古島へ。透き通る海の美しさはもちろん、子どもたちものびのびと遊ぶことができ、「家族みんなで最高のリフレッシュになった!」と松居。


育児休職の取得の推進は、オカムラの「働きがい改革 WiL-BE(ウィル・ビー) 2.0」における取り組みのひとつです。「WiL-BE2.0」は「Inner Communication(社内活性)」「Human Development(人財育成)」「Work Rule(制度)」「Work Smart(デジタル技術)」「Work Place(環境)」5つのアクションによって、働きがい改革の実現を目指しています。なお、育児休職の取得推進は、Work Ruleのアクションに含まれます。

オカムラは、積水ハウス株式会社が取り組む男性育休を考えるプロジェクト「IKUKYU.PJT」に2022年より賛同し、男性が育休を取得しやすい社会づくりに貢献しています。 
9月19日の「育休を考える日」を前に、オカムラの主な育児関連の制度・仕組みとともにニュースリリースを行いました。
インタビュー後記
松居は、3カ月いう長い引き継ぎ期間を設けることで、チームの連携や顧客対応をスムーズにし、育休取得への大きな一歩を踏み出しました。育休中には家族と向き合う時間を通じて、自分自身の視点や心境が少しずつ変化し、親として、そして一人の人間として成長を実感したことも印象的でした。
現在は第3子の誕生を心待ちにしており、家族がさらに賑やかになるこれからの時間を楽しみにしているそうです。育児の真っただ中でも前向きに日々を過ごす松居の姿からは、多くの学びや気づきをもらいました。私自身も子育てと仕事の両立に日々向き合っていますが、こうして支え合い、理解し合える職場や家族の存在が、何よりも大きな力になることを改めて実感しました。
(コーポレートコミュニケーション部 古賀 小谷佳)

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