企業パーパスに「人が活きる社会の実現」を掲げるオカムラ。この「オカムラを知る!」では、オカムラグループのさまざまな取り組みを紹介していきます。
地震や台風などの自然災害は、いつ起こるかわかりません。日ごろから、被害を最小限に抑え、すばやい復旧につなげる備えが大切です。近年は公共施設だけでなく商業施設やオフィスが入居する民間施設にも、「地域の防災拠点」として社会を支える役割が求められています。オカムラは「人が生きる社会の実現」のため、オフィスはもちろん公共施設や商業施設、物流倉庫などの防災対策をサポートしています。
CONTENTS
万が一の地震からオフィスや事業を守る!
ゲリラ豪雨や水害から建物や地下鉄などを守る!
買い物中の地震からお客様を守る!
万が一のときでも物流を止めない!
普段使いのアイテムを災害時に活用する!
万が一の地震からオフィスや事業を守る!
オカムラの「Rectline(レクトライン)」シリーズは、収納の効率性に加えて、耐震性も考えられたオフィス家具のロングセラーです。扉や引き出しが勝手に開かない「ラッチ機構」を標準装備しているほか、重心が傾いて転倒しないよう、引き出しは一度に2段以上引き出せない設計になっています。
Rectlineシリーズは、JOIFA(日本オフィス家具協会)で定めている「水平1G・垂直0.5G(震度6相当)で転倒しないこと」だけでなく、「水平1G・垂直5G(震度6相当)で扉が開かないこと」という条件をクリアしています。
Rectlineシリーズ 担当者から
Rectlineシリーズは全国各地、さまざまなオフィス空間や公共施設などの室内で使用されている、防災性の高い製品です。Rectlineのラッチは水平方向に移動することによって、一般的な回転式のラッチに比べ、衝撃での外れが起きにくい構造となっています。これによって災害時に導線をふさぐような中身の飛び出しが抑えられます。ワークプレイス製品部
ワークファニチュアチーム
髙橋 将人
ゲリラ豪雨や水害から建物や地下鉄などを守る!
建物の出入り口を防水板で塞ぐことで、建物内への浸水を防ぐことができます。止水の高さを選べるほか、床面に埋設させる起上式や使用時に取り付ける脱着式など、バリエーションも豊富です。防水扉は、水に弱い電気設備室や機械設備室、地下連絡通路や地下駐車場の開口部全体を止水することで、内側の空間全体を守ります。
なお、防水扉や防水板には、オカムラがこれまで培ってきた金融施設向け製品である金庫室扉を製造する技術が活かされています。
防水板・防水扉 担当者から
防水扉や防水板は、建物出入口、地下駐車場出入口、地下連絡通路、電気・機械設備室出入口扉などで使われています。集中豪雨や台風の大型化など、気候変動の影響により水害被害が多くなっている昨今、建物内への浸水を防ぐ製品として、多くの場所で採用されています。ワークプレイス製品部
建材製品チーム
加藤 眞也
買い物中の地震からお客様を守る!
「μPatch (ミューパッチ)」は、商品陳列什器のアジャスターに取り付ける免震キャップ。震度5強までの横揺れを緩和・軽減し、商品の落下や什器の倒壊のリスクを軽減します。
μPatch 担当者から
ドラッグストアやスーパーマーケットなど、多くのお客様に採用いただいており、特にリカー売り場で導入されています。μPatchは滑走性能が良いキャップで、地震発生時の床の揺れを陳列什器に伝達させにくく、商品の落下やゴンドラの破壊、転倒を軽減させます。商品が床に落下してしまうと避難通路を塞いでしまいます。また、リカー商品の落下でガラス瓶が破損し液体が飛び散ると復旧の遅れの原因にもなります。このようなリスクを軽減しています。商環境事業本部 リテイル・ソリューション本部
ストア製品部
堀田 玄樹
その他、「オカムラの店舗の安心・安全ソリューション」はこちらを参照ください。
万が一のときでも物流を止めない!
オカムラの多段式独立水平回転棚「ロータリーラックH」は、多くの物流倉庫で導入されている高速タイプの自動倉庫。独自のパネル構造と、保管物の飛び出しや落下を防ぐ機構により、優れた耐震性を発揮します。阪神淡路大震災や東日本大震災の被災時も、ラックに格納していた保管物への損害はなく、電源復旧とともに稼働できた実績もあります。
災害時でも物流を止めない―— 物流倉庫でもオカムラ製品は活躍しています。
ロータリーラックH 担当者から
ロータリーラックは、1978年の発売以来、1000基を超える納入実績があるロングセラー製品です。主に倉庫や物流センター、生産現場で使用されています。ロータリーラックはパネル構造の集合体からできており、高い強度が保たれています。また、保管物は「飛び出し防止加工付きトレイ」に収納されているので、地震の際に保管物が飛び出したり、ずれて落下したりすることを防ぎます。こうした耐震機能を備えていることから、東日本大震災後には、東北のある物流センターで、停電が復旧したその日に稼働再開できました。
物流システム事業本部
物流システム製品部 物流システム開発室
河村 晴貴
普段使いのアイテムを災害時に活用する!
実際、普段使いのアイテムが、もしものときに役立てば、防災用品を「特別なもの」として備えるコストや保管スペースも削減することができます。
最後に、一般社団法人フェーズフリー協会により「フェーズフリー認証」を受けたオカムラ製品を2つ紹介します。
バッテリーは、ノートパソコンで3.5回分、スマートフォンで14回分の大容量(※)。1台で1日の仕事に必要な電力を確保できるほか、1台で同時に4台のデバイスに給電可能。持ち運びしやすいハンドルタイプで、重さは1.9kgと軽量なため、非常時にコンセントを必要としない緊急電源としても活用できます。
※:ノートパソコンは50Wh、スマートフォンは12Whの容量を想定
OC 担当者から
OCを使用することで、オフィスの執務エリアに限らず食堂やカフェエリアなど、さまざまな場所がワークスペースになります。OCを持ち運ぶことで電源コンセントの位置を気にすることなく、目的に合せて好きな場所で働けるように。また、いつ起こるかわからない災害などの非常事態や、予期せぬ災害による停電時には緊急用の電源として使用できる大容量のポータブルバッテリーです。状況にとらわれないOCは、フェーズフリーな働き方を提案しています。
ワークプレイス製品部
ワークファニチュアチーム
﨑本 隆之
続いて紹介するフェーズフリー認証を受けた製品が、「Lumi Gate(ルミゲート)」です。いざ災害が起こった際、避難所として機能するのが学校などの公共施設です。Lumi Gateは「昇降口を明るく、コミュニケーション空間を演出するシューズロッカー」というコンセプトで、公共施設の平常時における使用はもちろん、非常時の使い勝手も考えられています。
Lumi Gate 担当者から
Lumi Gateは、平常時にも役立つフェーズフリーなデザインを重視しています。背板のない設計により明るく見通しの良い空間を確保し、防犯対策を強化。非常時にはけが人の早期発見にも貢献します。またベンチは、日常では子どもの靴の脱ぎ履きの補助やコミュニケーションの場として活用可能です。災害時には高齢者やけが人の支援ベンチとして多目的に対応します。
発売したばかりですが、平時・非常時の両方でその価値を発揮する製品として、小学校・中学校・高等学校、また公民館などからお問い合わせをいただいています。
施設環境製品部 パブリックグループ
鹿島 瑞紀