企業パーパスに「人が活きる社会の実現」を掲げるオカムラ。この「オカムラを知る!」では、オカムラグループのさまざまな取り組みを紹介していきます。
オカムラは、社内外でさまざまな社会貢献活動に取り組んでいます。今回は、デザイン分野の人材育成支援を目的とした返済義務のない給付型奨学金「JEES・オカムラ次世代育成奨学金」について紹介します。
「JEES・オカムラ次世代育成奨学金」とは
「JEES・オカムラ次世代育成奨学金」は、オカムラが公益財団法人日本国際教育支援協会の冠奨学金事業※に寄付を行い、この寄付金を原資として給付される給付型奨学金です。指定大学に在籍しデザイン分野を学ぶ日本国内の大学生に対して給付されます。
オカムラグループは、責任ある企業活動の一環として次世代の育成支援に取り組んでいます。昨今、大学進学者における奨学金の利用率は半数を占めるといわれる中でも、その大半が貸付制度となっているため、 在学中および卒業後長年にわたり返済を余儀なくされる現実があります。このような現状を鑑み、在学中あるいは卒業後の経済的不安を緩和し、学習に専念できる環境を整え、将来デザイン分野で活躍できる有望な人材の育成支援を行っています。
オカムラは創業以来デザインを大切にしており、「デザインオリエンテッド」志向を経営の柱としてきました。現在も、インハウスの製品デザイナーの多さなどにその考えが表れています。この奨学金制度は、オカムラが大切にしてきたデザイン分野育成に貢献したいという想いから、私立の美術大学を専攻する学生を対象としています。
※公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)は日本人学生および外国人留学生等の修学援助を目的とした公益財団法人です。その事業の一つである「冠奨学金事業」は、企業または個人等からの寄付を原資に、寄付者の名を冠した奨学金を設立、JEESの公益目的事業として実施する事業です。
奨学生交流会を開催
オカムラでは毎年、奨学生交流会を開催しています。2024年9月26日(木)、2024年度の奨学生をオカムラ・ニューオータニガーデンコートのオフィスに招待し、3回目の交流会を開催しました。11名の奨学生を迎え、オカムラからは、社長をはじめ役員、奨学生が在籍する大学のOB・OGのオカムラ社員も参加しました。
奨学生の皆さんからは大学などで学んでいることを発表してもらいました。社長からは本奨学金設立への想いや奨学生への期待などを伝え、OG・OB社員がショールーム見学時や懇親会でオカムラでの仕事を紹介しました。
奨学生の皆さんからは「社員の方からオカムラの製品や空間デザイン職の仕事内容を聞けて、将来を考える上で参考になった」という感想がありました。またさまざまな専攻・学年の奨学生が参加していたこともあり、「他学年や学部の学生が勉強している内容を聞くことが普段の学校生活ではないので、貴重な機会でした」との声も聞かれました。製品や空間、建築、服飾、絵画、映像……多岐にわたる、それぞれが学ぶことを活き活きと語る姿が印象的でした。
奨学生の声、今後も次世代育成支援を継続
「JEES・オカムラ次世代育成奨学金」の奨学生2名の声を紹介します。
「私は写真や映像、デザインを主として制作を行っています。現在は、廃材や家電を加工してピンホールカメラを制作しています。自分の手でカメラを制作し、撮影することで今までにない新しい表現ができないかを模索しています。制作以外では学生主体の映画祭を企画して開催しました。新しいことに挑戦するには多くの困難がありましたが、その中でも費用の壁が大きかったです。奨学金は普段の生活や制作に加えて、このような新しい挑戦する際の助けになりました。今後は海外に行き、普段とは違う新しい刺激を受けて今後につなげたいと考えています。交流会では他の奨学生や社員の方々と交流することができたほか、オカムラ製品や活動を深く理解することができ、私にとって大変有意義な経験でした 」
「私は大学での4年間、建築やインテリア、ランドスケープなど、環境デザインについて学んできました。特に、地域に根付いた建築やランドスケープの設計、住民と街との関わりに興味を持ち、卒業設計では地元を敷地とした都市河川にまつわる施設の設計を行なっています。そうした地域に根付いた建築を考える上で、実際に現地を訪れ、風土や文化を学ぶことは非常に重要だと思います。奨学金は学費としてだけでなく、各地の有名建築を見学したり、海外での設計ワークショップに参加したりと、大学外でデザインのための知識や視野を広げる活動にも使わせていただいています。奨学金のおかげで一層充実した大学生活を送ることができており、感謝が尽きません。卒業後は大学院に進学し、地域と共存する建築をより深く学んでいく予定です。同じ設計に携わる職種なので、いつかオカムラと仕事をさせていただけるのを楽しみに、今後もデザインを学んでいこうと思います」
本奨学金は、オカムラが企業として蓄積してきた経験を活かした次世代の育成支援であり、広い意味でオカムラが目指す「人が活きる社会の実現」に向けたアクションの一つとも位置づけられます。今後もデザイン分野を学ぶ日本国内の大学生に対して、在学中および卒業後の経済的な不安を緩和し、学業に専念できる環境を整え、将来デザイン分野で活躍する有望な次世代の育成を支援していきます。